昨日に続いて、タテタカコ「松の内スペシャル3days」の最終日に行ってきた!
昨日の感想、よかったらこちらをどうぞ。
[ライブ]タテタカコ「松の内スペシャル3days」 2011.1.9@新宿Naked Loft – いぬと海

昨日と同じく、手袋をした両手を胸の位置ぐらいまで上げて入場してきたタテタカコさん。
鍵盤の前まで来て、「オぺ始めます」という昨日はなかった一言も。

今日は成人式、という話。
この日の会場にも二人(かな?)ちょうど成人式の方がいた。
成人式の日にタテタカコのライブに来られるなんて、なんて素敵な大人への始まり。

1曲目は「身ひとつ」。
タテタカコの中では歌も鍵盤も中低音域の曲。
おなかの底まで沁み入ってくるような。

2曲目は「えのぐ」。
スローテンポでシンプルな伴奏の中、「溶かしてしまいたい」という静かな祈りのような声が響く。
いろんなものを受け入れた、清らかな曲。

この日最初のMCでは、前日にこの界隈でサムゲタンを食べた時に、後ろで合コンっぽいものをやっていた話。
おじさんの口説き方と、(女性と)歯車が噛み合ってない歯痒さに、心から「残念だなあ…」と言ってた。
最初にまず話したところからも、前日から言いたくてしょうがなかったんだろうなあ(笑)

次の曲に入る前に「ネイキッド ロフトのうた~」という簡単なNaked Loftの歌を披露。

3曲目は「ひまわり」。
緩急、タメをつけた歌い方で、いよいよ声のトーンも上がってくる。
ここらへんはタテタカコのライブ序盤の“王道”曲パート。
うーん、やっぱりいい。いいよ!

そして「卑怯者」がキタ!!
昨日聴けた「心細い時にうたう歌」、「あの人」と並んですごく好きな曲。
イントロの瞬間から胸が高鳴った。

開演前、近くに母娘が二人でいらっしゃっていて。
お母さんが娘さん(学生ぐらい)に「何の曲聴きたい?」って訊いたら真っ先に「卑怯者」」を挙げてた。
よかったねえ。
そして僕も聴けてよかった。
本当に名曲だと思う。

MCではNaked Loftで店員さんを呼ぶときの札を使って「用がある方はこれを上げてください」と。
前日の終演後はキムチ鍋が終わってしまったけど、Naked Loftの方々と一緒に食べて嬉しかった話。

次は「君はー 見えていたに違いないー」という曲。
この曲、タイトルが分からない…。

そして「ダラケ」。
軽快な(民謡的な)リズムから始まって、サビでは迫力のある鍵盤と声になって、ものすごくライブ映えする曲だなー、と。
最後の「らん、らん、らん、らん、らんらららーん」まで、いろんな顔を見せてくれる曲。
ライブで聴いたの初めてだったけど、これは新鮮な発見。よかった!

MCでは、ダックスフントを連れて散歩していたおじさんが背中にオオトカゲを背負っていた話。
新宿はすごいところだなー。

次はやなせたかしさんが作詞をした「しろいうま」。
やっぱり歌詞の世界が違うと、同じタテタカコ(作曲)の歌でもだいぶ違って聞こえるなあ。
こういうのもいい。

峠越え」ではタテタカコさんが「珍しく軽快な歌なので手拍子を…」と言って、みんなで手拍子。
こういうお客さん参加的な流れもタテタカコのライブでは初めての経験だったけど、これもまたいい。

次に「太陽」。
いやはや、「そら」が出たのは2004年みたいだけど、それからまったく色褪せない曲だ。
慈愛に満ちている、という表現がピッタリくる曲。

まとめみたいな感想を書くけど、毎日いろんなことがある中で、大切なものがある場所や空間に立ち戻れるというのはすごく大事なこと。
このタテタカコのライブは時間にすれば2時間ぐらいで、1週間で168時間あるうちの1/84に過ぎないかもしれないけれど、ものすごく意味の大きい時間。

それは例えば、「太陽」の曲に表れているような世界だったりする。

勇気を出して むかっていこうよ
歩きだせない 背中をおすから
勇気を出して 空を見上げようよ
今日もあなたに ふりそそぐから

「太陽」(歌詞:タテタカコ)

MCでは、僕も好きなこのNaked Loftの外界とビニール一枚で隔てられている空間について。
もちろんタテタカコもとても好きなようで、「世界中を旅してる気分になりますね」と。

次は、壮大な展開を見せる「innocence」。
特に後半の流れるような鍵盤の波がすごく好き。

次は「かっこう」という清らかな声が印象的な曲。
去年の10月22日のライブの感想で教えてもらったけど、新曲らしい。
この場所だけ、なんだか違う世界に迷い込んだような、不思議な雰囲気をもつ曲。

本編ラストは「祈りの肖像」。
これまた、美しくもサビに向かっての高揚がものすごい曲。
「innocence」といい「祈りの肖像」といい、やっぱり「Harkitek or ta ayoro」というアルバムはタテタカコがまた新しいどこかに到達したことを示す作品なんだろうなあ。

ただただ、圧倒される。
こういう曲が一人の人間から生まれ、目の前で一人の人間によって歌われてることがものすごいことだと思う。

アンコールの手拍子の後、再びタテタカコさん登場。

「(3日間やってきて)歌える歌が尽きました(笑)」と。
いや、もうぜんぜんかまわないよ!
タテタカコの曲なら同じものでもなんでもいいからとにかく聴きたい!

アンコール1曲目は、ハッピーバースデーのフレーズから、「誕生日」。
タテタカコの一つの特徴である、情念や激しさが表れた曲だけど、そう言えば今日はこういう類の曲が少なかったなあ。
この歌、タテタカコの声の抜けがものすごかった。
ほんと、今さらながらライブで聴くべき歌い手さんだなあ。
(かく言う自分も、1年前までライブで聴いたことがなかったんだけど)

ちなみに音源だと珍しくドラムや男性の語り声が入ってる曲でもある。
ライブではタテタカコが足でリズムをとっていたりして、音源と比べて物足りないなんて微塵も感じない。

ラスト二曲は、「人の住む街」と「帰路」。
なんだかセットとして捉えてしまうのは、やっぱりタテタカコという人をこの二曲がすごく明快に表現してるなあと思うから。
(そしてラストに歌う意味というのも、すごく噛みしめたい)

君は今日も この街の中
僕は今日だけ この街の中
君は今日も この街に居て
僕は今日だけ この街に居る

「人の住む街」(歌詞:タテタカコ)< /p>

昇る太陽が昇る 君も僕にも
けれど何か違う 君と僕は
うまく言えないけど それがいいのかな
だから今日も同じ空を見てる

「帰路」(歌詞:タテタカコ)

他者との違いを受け止める、ということ。
それは難しいことでもあるけれど、タテタカコの曲からはそれを乗り越えられた人の強さや優しさが備わってる。
だからここまで心に響くのだと思う。

今日も本当にいい時間と空間をありがとう。

また観に行きますからね!

セットリスト タテタカコ「松の内スペシャル3days」 2011.1.10@新宿Naked Loft

1.身ひとつ
2.えのぐ
-MC- (Naked Loftの歌)
3.ひまわり
4.卑怯者
-MC-
5.?
6.ダラケ
-MC-
7.しろいうま
8.峠越え
9.太陽
-MC-
10.innocence
11.新曲
12.祈りの肖像

-アンコール-
1.誕生日
2.人の住む街
3.帰路