西日本の豪雨、倉敷で会社をやっている者として

こんばんは。
今回の西日本の豪雨で大きな被害のあった倉敷の美観地区で、株式会社有鄰という会社をやっている者です。

一言で「倉敷」といっても、報道で大きく報じられている真備地区とは異なり、美観地区は大きな被害はありませんでした。

豪雨が開けた後の倉敷美観地区

豪雨が開けた日の倉敷美観地区。前と変わらない光景でした

ただむしろ「倉敷」という名前が大きく報道されることによって、観光地である美観地区としては風評被害の方が大きな打撃となりそうです。

豪雨が去った直後から、うちの『ゲストハウス有鄰庵』にはすでに数十人のキャンセルが出ています。

そんな状況なのですが、ちょうど7月9日(月)は、もともと店舗の営業をお休みして、スタッフの研修や交流を目的とした「コミュニケーションミーティング」というものを行う日でした。

ただ、こういう災害が起こった直後だったので、内容を一部変更して、代表である僕から最初にスタッフに最も伝えたかったことを伝えました。

これは大きな災害に直面した際に、僕が大事な人に最も伝えたいことなので、ここでちょっと記してシェアしておきます。

災害が起こったとき、僕が大事な人に一番伝えたいこと

「自分の心を見つめよう」

一言で言えば、こういうことなんです。

西日本豪雨の後の全社研修スライド

実際の「コミュニケーションミーティング」のスライドで使用したページ

西日本豪雨の後の全社研修スライド

大きな災害が起こると、もちろんそれ自体もショックで悲しいことですし、世の中にもいろんな人やいろんな思いが噴出してきます。

そういう、普段はない感情や行動にまみれていると、自分の心まで普段とは違う状態になりがちなんですよね。

例えば周りの雰囲気に触発されて「自分も何か役に立つことをしなきゃ」という一種の強迫観念に襲われたり(それがただポジティブにだけ働けばいいんですが)、悲しい現実ばかりに囲まれるとそれに気分や体調まで引きずられたり、ということがよく起こります。

そんなときに、まず自分の心がどれぐらいざわざわしているのか、今の自分の気持ち(例えば何か行動しなきゃという気持ち)はどこまで地に足のついたもなのか、ということをじっくり考えた方がいいと思っています。

今回のようにイレギュラーで一種の危機的な状況に置かれたとき、人間って人それそれでキャパシティーがあると思うんですよね。

そしてそれは周りの人よりも自分自身が一番よく分かることで、こういうときだからこそ自分の心の健康は自分で守るのが一番だよ、ということです。

僕の場合で言えば、自分でいうのもなんですが、もともと芯が強いタイプなので、こういう災害時のキャパシティーはあるほうというか、比較的自分を見失わずにボランティアやチャリティーをする人間だと思っています。
(東日本大震災や熊本地震の際にも自分でそういった企画を立ち上げていました)

ただ、そんな人間が代表をしている会社だからといって、みんなが自分の心のキャパシティーを超えて頑張らなきゃいけないわけではないんです。

むしろ僕は自分がそういう人間だと自覚しているところもあるからこそ、みんなにはまず「自分のキャパシティーを自分でよくわかった上で、それでもアクションを起こせる人は一緒にやろう」ということを伝えたかったです。

だって、ただでさえ悲しい災害が起こった後なのに、それに影響されて自分の大事な人(ここではスタッフ)まで心身ともに体調を崩してしまったら、より悲しいことじゃないですか。

SNSや情報に触れる際も、自分を見失わないで

また、これは災害時のSNSなどとの接し方にも関わることだと思います。

出どころが怪しい情報について、普段は冷静な判断ができる人でも、こういうときは使命感のようなものからすぐに拡散してしまう、とか、自分でもそれを信じ込んでしまう、とか。

僕は何事でも「地に足をつけて判断する、動く」っていうのはその人のコンディション的にも、行動の実効性としても大事だと思っているので、こういう災害時だからこそそこに気をつけてほしい、というのが言いたかったことです。

とはいえ、会社や個人としてできることはやります

とみんなに伝えた上で、とはいえうちの会社(株式会社有鄰)は、今回の西日本豪雨では残念ながらかなり被害者の立場になってしまっています。

なのでこれから自分たちも頑張っていかなければいけないし、それに加えて同じように被害を受けた地域のためにも役に立てることを考えて実行していきたいと思っています。
(すでにいくつか企画済みのものもあります)

そして皆さんに言いたいことは、やっぱり、
「美観地区は普段通りなので、風評被害を起こさずに遊びに来てください!」
ということです。

皆さん、お待ちしています!

株式会社有鄰の集合写真