行ってきました。
ロックインジャパンフェスのステージでCoccoがいきなり「秋にツアーをやります!」と言ってから、ほんの3ヶ月後。
ほんとに実現してしまった。そんなツアーの初日。
去年のカウントダウンジャパンのムーンステージで久しぶりに30分ライブをやって。
今年の春から夏にかけては、とても精力的に各地のフェスに出て。
そうやって積み重ねてきたものが“ツアー”という形になったことが、とても嬉しかった。
Coccoがまた新しく蒔いた種、その種が花を咲かせていく過程を、みんなで見守っていたかのような。
そう、この1年ぐらいのCoccoのライブって、みんなが「見守る」という表現が似合う。
もちろん歌手としてのパフォーマンスに魅了されながらなのだけど、一方でみんなが大事に思っているCoccoを“見守ってる”雰囲気を個人的には感じてた。
で、この日。
サポートメンバーもいつもの5人。
ギター:大村達身、藤田顕
ベース:高桑圭(Curly Giraffe)
ドラム:椎野恭一
キーボード:堀江博久
“Coccoバンド”と言っていいような布陣で、Coccoが花を咲かせていく過程をおそらく最も近くで見てきた人たち。
(椎野さんは髪をすっかり短く切ってた)
一曲目は「ニライカナイ」から。
いきなりCoccoの声量がすごい。ライブアーティストとしてとっくに完全復活してるんだな、と。
二曲目は「首。」
そうか、そういうモードなんだな。「エメラルド」もCoccoが“表現者”としての原点を取り戻してるかのようなアルバムだと思ったけど、これでもうハッキリした。
いよいよ僕たちが“見守る”とか言ってる段階じゃなくて、全開なんだな。
それほどまでに鬼気迫る歌、歌声。
「強く儚い者たち」も力強いバンドスタイル。
この日すごく感じたのは、(上でも少し書いたけど)これは“Coccoバンド”だな、ということ。
音が完全にバンドの音で、高桑さんのベースがぐいぐい唸る中、決してCoccoのボーカルを立たせるためではなく、バンドとしての音楽を奏でようとしている感じ。
フェスやUstではアコースティックな編成をすることも多かったけれど、きっとこのツアーはCoccoバンドとしての一つの完成形を目指すんだろう。
そんなバンドの音、とてもよかった。
少し休憩するも、MCはなく、また次へ。
「Light up」「十三夜」という、「エメラルド」の中でもこのパートにカテゴライズされそうな曲を。
特に、個人的に「十三夜」ってすごいスケールの大きい曲だと思ってる。
Coccoが得意なメロディライン・歌詞は活かされながら、後半の「Lift me up」の部分では例えて言うならUKロックのような展開もあったりして。
もちろんライブ映えもする曲。
次が「カウントダウン」で、「そこまでごり押しするかー!(良い意味で)」というぐらいの迫力。
ここまでの6曲、すごい。
セレクトも、Coccoの圧倒的な歌声も。
そう言えば、終わってみればシングル曲以外は全て「エメラルド」か「ブーゲンビリア」の曲。
分かりやすいほどの原点回帰。
「カウントダウン」のラストはCoccoの「はあっ!」という息づかいで〆。
ここでようやく一息ついて、MC。
MCで話すCoccoはいつもの優しいCoccoで、さっきまでの鬼神のような様子とはまた違った顔。
そしてこのMCを境に、ライブも一気にハッピーモードへ。
「4×4」というアルバムの中でも芯となる曲(この曲自体が“芯”となるものを歌った曲だってCoccoもUstで話してた)から始まって、同じ「エメラルド」の中の「クロッカス」、「のばら」と。
幸せな3拍子が弾むような「クロッカス」を、これまた弾むように歌うCocco。それをさらに上回るほどのハッピーさをまき散らす「のばら」。
こういう曲も、前半にやった「Light up」や「十三夜」のような曲も同居するのが「エメラルド」であり、Coccoという歌い手なんだなー。
改めて、その人間性の広がり、魅力の引き出しの多さに嬉しくなるような衝撃を受ける。
しばし暗転してから、達身が手拍子のリズム。「カラハーイ」のリズムだ。
お客さんとみんなで手拍子が鳴る中、元バレリーナ・Coccoがバレエを踊る。きれい&かわいい。
「カラハーイ」からはライブがクライマックスに向かうボルテージ。
「あたらしいうた」なんて歌い出すところからCoccoの笑顔が炸裂していて(笑いながら歌い始めてた)、会場の照明も真っ白な明るい光になって、Zepp Tokyo全体が希望に満ち満ちた雰囲気に。
「You!」「are!」の掛け声もまた楽しげで。ハッピーすぎるバンドチームだった。
あの幸せさ加減は泣ける。
「60分」のライブってことで、これで大団円でも僕は大満足ぐらいな感じだったんだけど、次に歌ったのはなんと「焼け野が原」!
いや、それは卑怯すぎるよ…!
もう泣いたらいいのかどうすればいいのか分からなかったよ!!
さらにまだライブは続き(!)、次は堀江さんのピアノが鳴り響き「樹海の糸」!
まだ来るか!って感じですわ。幸せすぎる。
それにしても「樹海の糸」の最初のピアノの4音を考えた人は素晴らしいね。あのピアノの4音を堀江さんが奏でるだけで、その場全体が「樹海の糸」の雰囲気に包みこまれるもんね。
(ライブではまた特にピアノが生きるアレンジにしてあるのが良い)
「え、まだ終わらないの?いいの?」ていう僕の気持ちはうまくスルーしてくれて、CoccoのMC。
前日にライブのことで頭がいっぱいで、街を歩いてるときに「Coccoさんですよね?」と言った人をガン無視してしまった話など。
「サービス精神がないからよ、歌はちゃんと歌うからさあ」と言うCocco。会場のみんなが「Coccoがサービス精神ないなんてそんなはずないよ!」って思ってたよ。絶対。
そこからは再び「エメラルド」ゾーン。
1曲目でもある「三村エレジー」からで、“仕切り直し”感を作ってるのが上手い。
次の「Spring around」まで、またちょっとダークCoccoかな。
そこから「Stardust」はまたスケールの大きな曲。ほんとに表現の振り幅が恐ろしく広い。
上でも書いたけど、本当に“表現者”として完全復活だなー。すごく嬉しい。よかったね、Cocco。
「エメラルド」の3曲が終わり、Coccoは堀江さんにメンバー紹介を託す(笑)
堀江さん→藤田さん→高桑さん→椎野さん→達身さん、と順番に紹介していく。
最後Coccoは「おれはいいよ!みんな分かって来てるから!」と照れて辞退。
そしてやっ