1日目と2日目の感想はこちら。
・[感想]フジロック1日目 2015.7.24 | いぬと海
・[感想]フジロック2日目 2015.7.25 | いぬと海
3日目、この日も快晴。
っていうかこの日こそほぼ一日快晴で、日差しが強かった。
一発目は、昨日もカフェ・ド・パリでちょっと聞いてたスペインのバンド・Txarangoから。
スペインのTxarango、クソ最高に楽しかったわー!スカ、ラテン、キューバ、レゲエと曲のバラエティも豊かで50分間まったく飽きないまま踊り続けちまうわ! #fujirock
— いぬたく (@inutaku_) July 26, 2015
2日目の感想でもチリの二人バンド・Perroskyに触れつつ書いたけれど、Txarangoもホーン隊から鍵盤、ドラム&パーカッションまでフル活用して、楽曲がバラエティ豊かなのが好きだわ。
そしてもちろん、特に曲を知らなくても楽しめちゃう圧倒的な明るさ。
フジロック、ホワイトステージ。TXARANGOよかった! 彼らとかFERMIN MUGURUZAみたいな一見さんを鉄板で盛り上げる音楽、アメリカでもイギリスでも日本でもないグループに出会えるのがフジロックの大事なポイントだと思う。朝イチで満員でした。#fujirock
— 柴 那典 (@shiba710) July 26, 2015
ほんと、僕にとって今回のフジロックは“オレンジコートの欠片”を各所で探し求める旅、っていう側面もありましたよ。
真昼の太陽の下で60分ほどノンストップで踊ってたので、Jim O’RourkeとGaman Gilbertoはヘブンに下る坂道の木陰から聞いてた。
ただ、これがやっぱり音がすごくいいんですよ。
それで「これはやっぱりステージ正面で聴きたいわ」という思いと「いや、でもただでさえTxarangoで火照ってる中でまたこの酷暑の下に出向くのは…」という思いのせめぎあいを繰り返した末に、以下のような「だからフジロックは雨の方がちゃんとライブを観られるんだよ、こんちくしょー」っていうツイートに。
勝手なことを言うようだけど、このヘブンでのジム・オルークはあまりに灼熱だから脇の木陰で聴いてる。しかしここからでもめっちゃいいライブだと分かる。雨だったらステージの正面で存分に観るんだけど、だからフジは僕としては晴天よりも雨がいい。 #fujirock
— いぬたく (@inutaku_) July 26, 2015
まあでもジム・オルークはほんと出してる音がよかったので、結局は日除けも何もないヘブンで聴いちゃいました。
ジム・オルーク、あまりに音がいいから結局ステージ正面まで観に行ってしまった。暑かったけどとてもよかった。特に山本達久さんのドラムちょーいい。 #fujirock
— いぬたく (@inutaku_) 2015, 7月 26
それでいよいよ暑くなって、ceroも最初のうちは、ホワイトに向かう途中のちょっと丘になってるところの木陰から。
ちょうど「マイ・ロスト・シティー」がやってるところだった。
その後、途中からステージ正面あたりへ。
ceroもすげえよかったわー!祝祭って言葉を音にしたらまさにこんな感じだと体現してる音楽。しかもフジロックという舞台で日本人だから生まれたであろう音楽を日本人がここまでやってる、ってことがまた嬉しいでしょ! #fujirock
— いぬたく (@inutaku_) July 26, 2015
cero、まさにこれがホワイトステージという最高のハモり。世界の中の日本のリズムとトラック。 新しいフジロックの音と顔になっちまえ! #fujirock https://t.co/2D9WEsgQqJ
— 鹿野 淳 (@sikappe) July 26, 2015
ceroが終わってから、いったんグリーンに。
劇的な展開で活動休止の年にグリーンに登場することになったthe telephonesを観る。
telephonesのメンバーはフェス好きだし、僕も実際に苗場でお会いしたことがある方を、こんな展開でグリーンステージで観られるっていうのはちょっと特別な感じ。
いつものtelephonesに苗場への思い入れが加わって、いい感じのステージでした。
その後はレッドマーキーでThe Bohicasを少し。
UKロックの一種によくありそうな、荒々しいロック。
ちょうどこの頃、ホワイトステージのトッド・ラングレンが話題になってた。
トッド・ラングレンのステージが予想の斜め上過ぎた。 http://t.co/vejoPcTbaW pic.twitter.com/cRiiZF7FAE
— deidaku (@David_Garle) July 26, 2015
トッド・ラングレン途中ステージでずっこけそうになったりセトリを踏んでスニーカーにくっつくも気づかずに歌い踊り、見兼ねたアジア顏のダンサーが後ろからそろりそろりと歩んでくっついたセトリを引っぺがし、観客席拍手!おじいちゃん感ヒドい!#fujirock #toddrundgren
— リグレット (@regret_jpn) July 26, 2015
トッド・ラングレン、ホワイト。楽しかった! 女性ダンサー2人と黒人DJを引き連れて振り付けつきで歌い踊るガチでアイドルスタイルのライブ。2015年になってトッドに「プチョハンズインジエアー‼︎」と煽られて歓声あげて飛び跳ねてると思いませんでした。完全に異空間。 #fujirock
— 柴 那典 (@shiba710) July 26, 2015
グリーンからホワイトに向かうところで、吉田(晴)さんに会った。
なんか知らんけど、吉田さんとは申し合わせてるわけじゃないのにこれで3年連続たまたま会ってる気がする。
ところ天国で食べ物を調達してから、大橋トリオ。
この夕方の時間にはもう天国バーガーが売り切れてて、結局今年は一度も食べなかったな。
どうでもいいけど、天国バーガーと言えば雨で濡れた状態で食べてることの方がよっぽど多い印象がある。
あと食べ物と言えば、なにげにヘブンで売ってる枝豆コロッケが普通のコロッケに変わってたのはちょっと残念だった。
ジンジャーポーク丼とソーセージ食べながら大橋トリオ。 #fujirock (@ WHITE STAGE in 南魚沼郡, 新潟県) https://t.co/7Fps7gF1kP
— いぬたく (@inutaku_) July 26, 2015
大橋トリオは、安定の心地よさ。
そして楽しみにしてたグリーンの椎名林檎。
椎名林檎と豪華なバックバンド陣の一分の隙もないエンターテインメント、半端なかったわ! #fujirock
— いぬたく (@inutaku_) July 26, 2015
途中でtoeに行こうと思ってたのに見事に最後まで観てしまった。椎名林檎。 #fujirock
— いぬたく (@inutaku_) 2015, 7月 26
セットリストはもうちょっとポップ寄りなのかなと思っていたけれど、それにしてもこの「椎名林檎」というアーティストを演じ切る覚悟と姿勢は素晴らしいわ。
それでいて、(たぶん計算も含んでるんだろうけど)屈託のない笑顔を時おり見せるところとか、ちょっと反則気味。
椎名林檎のあまりのかっこよさとかわいさに、隣にいた若い女子が「失禁しそう…」って言ってた。 #fujirock
— いぬたく (@inutaku_) July 26, 2015
丸の内サディスティック 罪と罰 迷彩 幸福論 静かなる逆襲 幸先坂 青春の瞬き NIPPON 能動的三分間 長く短い祭 密偵物語 殺し屋危機一髪 カリソメ乙女 長岡亮介(浮雲) 名越由紀夫 鳥越啓介 玉田豊夢 ヒイズミマサユ機 佐藤芳明
— boo (@_y_r_b) July 26, 2015
椎名林檎を(当初の予定に反して)最後まで観てしまったので、toeは来る途中に事故に遭ったっていうMCから最後の2曲ぐらいだけ。
それでも十分によかった。
林檎も日本の宝だがtoeもまた日本の宝。 #fujirock
— いぬたく (@inutaku_) July 26, 2015
toeのところで平井くんに会い、この日はこれ以降観るものがすべて被ってるってことで、ひとまずヘブンに移動。
二人で牛スジ丼とカレーを食べながら、Benjamin Booker。
(以下のツイートをしたら「牛モツじゃなくて牛スジです!」って指摘された)
牛モツ丼食べながらBenjamin Booker。 #fujirock (@ FIELD OF HEAVEN in 南魚沼郡, 新潟県 w/ @kjr_1mic23) https://t.co/4ElcUFpV52
— いぬたく (@inutaku_) July 26, 2015
途中から亜依くんと松原くんもその場に合流。
僕は普段のフェスやライブでは一人か奥さんと二人かのどっちかなので、自分含めて4人も並んで一緒にライブを観るとか、たぶん10年ぶりぐらいだったわ。
いかにこれまでの自分がぼっちなのか、と。
Benjamin Booker、ブルースとロックな魂&喉を備えてるだけで特に難しいことはしてなくてもひたすらかっこよく見えるからズルい。 #fujirock
— いぬたく (@inutaku_) July 26, 2015
夜のホワイトでのHudson Mohawkeめっちゃいいわー。しかしOf Monsters And Menを最初から観たいので移動。 #fujirock
— いぬたく (@inutaku_) July 26, 2015
途中から観たHudson Mohawkeは、めっちゃよかった。
2015年の今としては、こっちを最後まで観るべきだったかも、という気がしなくもない。
ハドソン・モホーク、ホワイト終了。素晴らしかった。サポートはシンセ1人とドラマー1人。新作『Lantern』の曲はほとんどやったかな。腹にどすんとくるビートと極彩色なシンセ。EDMの潮流とはまったく異なる、でもとびきりフィジカルなレイヴ×ヒップホップ。未来を見据えてる感じ。
— 柴 那典 (@shiba710) July 26, 2015
今日は特にほんとにいいライブが多い。 #fujirock
— いぬたく (@inutaku_) July 26, 2015
Txarangoから始まって、ジム・オルーク、cero、椎名林檎、toe、Benjamin Booker、Hudson Mohawkeと、どれもライブとしての平均点をだいぶ上回ってると思う。
さらにレッドマーキーで楽しみにしてたOf Monsters And Men。
ていうかレッドマーキーってちょっと狭くないか(前回はホワイトだったのに)。
Of Monsters And Men、スタート3分前から大手拍子が始まって高まるわー! #fujirock
— いぬたく (@inutaku_) July 26, 2015
Of Monsters And Men、1stの代表曲もたくさんやってくれて、僕が3日間で観た中ではレッドマーキーのベストアクトですわ! #fujirock
— いぬたく (@inutaku_) July 26, 2015
Of Monsters And Menもよかった。
よかったんだけど、特に序盤〜中盤で、もうちょっと曲の順番とつなぎ方の工夫があれば、あのレッドマーキーの熱気と期待感ならもっと天井をぶち破るぐらいの盛り上がりにもなれたんじゃないかな、とは思った。
そこらへんは、フェス戦線で勝負する日本の若いバンドの方がよほど工夫してるケースはあるな、と思いつつ、まあでもそういう良い意味で純朴なところがこのアイスランド出身のバンドのいいところでもあるのかも、とも思う。
Of Monsters And Menが良すぎてFKA twigsに行くつもりだったのに動けず飲食スペース〜グリーンに留まる人に「オアシスかい!」と言いたい(ダブルミーニング)。 #fujirock
— いぬたく (@inutaku_) July 26, 2015
FKA Twigsは観ておかなきゃいけないかな、という気がしていて、ホワイトへ。
去年レッドマーキーでLordeを観た時もなかなか「こりゃすげえもの観た」と思ったけれど、FKA Twigsはそこにさらにコンテンポラリーダンスという表現を加えてて、よりアート領域に近くなってる感じ。
5曲ぐらい観てなるほどと思ったので(フェスで60分間観るものでもないなとも思った笑)、混雑する前にグリーンのノエルに移動。
いやー、ノエルはよかった。
何がよかったかって、まず「Whatever」そして「Masterplan」(!)やってくれたのが嬉しかったわー。
ノエルさん、Don't Look〜は正直ちょっと期待してたが、それよりMasterplanやってくれたのはサプライズでめっちゃ嬉しかったぞ! #fujirock
— いぬたく (@inutaku_) July 26, 2015
そして本編ラストに、待ってましたの「Don’t Look Back In Anger」。
3日間いろんな良いライブを観たけれど、そのラストが「Don't Look Back In Anger」とか、こんな最高な終わり方ないわ!!イントロが始まった瞬間にみんな立ち上がって大合唱とか、フェスの最後はこういうことでしょ!!これだよこれ!! #fujirock
— いぬたく (@inutaku_) July 26, 2015
ほんと、グリーンに集まってる2万人ぐらい?が全員「待ってました」って感じで立ち上がって、Aメロから合唱が始まるって、こういう曲もなかなかないわ。
FKA Twigs終わりのホワイト〜グリーンの道で渋滞に巻き込まれていた人たちのところでも、音が聞こえてきたら合唱が始まったみたいで。
世界中のミュージシャンはノエル兄様に空気の読み方を教われ!! #fujirock
— いぬたく (@inutaku_) July 26, 2015
いやもうほんとDon't Look〜は期待はしていたけれどまさか本編ラストに持ってきてくれるとは思わなかったし、WhateverもMasterplanもやってくれて、今後一年間ノエル兄様に足を向けて眠りたくない。 #fujirock
— いぬたく (@inutaku_) July 26, 2015
もう、3日間のフェスの終わり方としてはこんなに綺麗な終わり方はないわ、と思った。
おそらく自分史上でもフジロック3日間の終わりとしてはベストだったかもしれない。
もともとこの日は夜のレッドマーキーをどうしようかなと思っていたけれど、これ以上のタイミングでの「フェス後感」はないなと思って、ここでスパッと帰ることに。
今年も3日間楽しかったです。
ほんとありがとうございました。
フジロック3日間全体のまとめ感想
ひとまず以下がフジロック後に発したツイート。
iPhoneで測ってたフジロック中の歩数。3万歩超えるのか。 1日目:33,305歩 2日目:21,575歩 3日目:33,076歩 #fujirock
— いぬたく (@inutaku_) July 27, 2015
フジロック、タイムテーブルを見返しながら思い出してるけど、特にめっちゃよかったのは以下(観た順)。AO YOUNG BAND、no entry、ブンブン、Kemuri、Caravan、ものんくる、クラムボン、Txarango。 #fujirock
— いぬたく (@inutaku_) July 27, 2015
フルでは観てないけどすごくよかったのは以下(観た順)。Rei、Drakskip、GalacticとMacy Gray、Jim O' RourkeとGaman Gilberto、cero、toe、Hudson Mohawke、ノエル兄さん。 #fujirock
— いぬたく (@inutaku_) 2015, 7月 27
フジロック3日間、ある程度ちゃんと観たライブのステージ分布を集計してみた。合計40アクト、深夜は除く。 #fujirock グリーン:7 レッド:4 ホワイト:13 ヘヴン:8 アヴァロン:5 カフェドパリ:3 やはりホワイトよりも奥地が多くて全体の72.5%。
— いぬたく (@inutaku_) July 27, 2015
多様な音楽に出会う場としてのオレンジコート(的な要素)はやっぱり必須
アーティストごと、ステージごとの感想は、ここまで書いてきた通り。
僕の場合、フジロックに対しては、ロックよりも他のジャンル、例えばファンク、ハウス、ブルース、スカ、エスニックを求めてるんだと思う。
上の方で柴さんがTxarango後に書いたツイートの言葉を借りれば「アメリカでもイギリスでも日本でもない」ということ。
僕のその傾向は年を追うごとに徐々に強まっていて、グリーンステージと特にレッドマーキーで観たアクト数は、これまでの自分史上、一番少なかったんじゃないでしょうか。
世界的な流れで言っても、(これまでの)アメリカ的・UK的ではない音楽が、各地で同時多発的に起こりながらムーブメントやコミュニティを作っていて、さらにそれがインターネットのおかげもあってすぐに可視化できたり実際に聴けたりするわけで。
ただそんな自分の嗜好や世界的なムーブメントと「オレンジコートがなくなる」っていう今回の変化(退化)はもろに対極の事柄で。
行ってみたら行ってみたで意外と例年通りちょー楽しかったんだけど、それはもしかしたら僕がある種意図的に“オレンジコートの欠片”を探すようにしているから、っていう部分もあるのかもしれない。
考えてみれば、今でこそ「オレンジとヘブン大好きっす」みたいに自称してるけれど、僕も10年以上前はビョークとかアンダーワールドとかオアシス目当てでフジロックに行きつつも、そんな中でオレンジやヘブンの異国情緒あふれるライブに触れることで引きこまれていったんですよね。
そういう「様々なジャンル、様々な国の音楽との出会いがふんだんに用意されている」という意味において、今年のフジロックが“終わりの始まり”にならないといいなと切に願います。
実際、フェスがいくら流行ってると言っても、フジロックのようなラインナップを揃えてくれるフェスってほんと他に出てきてないからなー。
フジロックのラインナップの一部分を体現してるって意味ではTAICOCLUBや朝霧Jam、邦楽だけのラインナップだとりんご音楽祭とかはちょっと近いものはあるかもですが。
過去のことを言ってもしょうがないものの、オレンジコートがなくなった報せを受けて田中宗一郎さんが発してたツイートがとても印象的で、まだこのブログに残したことがなかったので、貼っておきます。
今年のフジのラインナップに関しては、かなり思うところがある。ネガティヴな意味において。だが、グラストのラインナップを見る限り、ここ10年、どちらの国も北米のポップ文化のように裾野の広がりを作り上げることの出来なかったことの結果だろう。主催者のセンスの問題だけではないのは明らかだ。
— 田中宗一郎 (@soichiro_tanaka) April 17, 2015
ここ10年、北米のメディアが、レーベルが、イベンターが、アーティストが、リスナーが共に作り上げてきた文化をこの島国では誰もが新たに作り上げるという努力を怠ってきた。その結果がこの北米との圧倒的な差だということ。特定の誰かの責任ではない。誰もがそれに加担してきた。その結果が今だ。
— 田中宗一郎 (@soichiro_tanaka) April 17, 2015
日本勢にしても、そのクオリティからすれば、ceroだけでなく、tofubeats、シャムキャッツ、ミツメ、森は生きている、吉田ヨウヘイgroup、ヨギー、シュガーズ辺りが大挙して出演していてもおかしくない。というか、それでこそコーチュラに並ぶことが出来る。だが、実際には不可能だ。
— 田中宗一郎 (@soichiro_tanaka) April 17, 2015
ただ、今年のフジロックの動員数は、公式発表だと去年よりはだいぶ改善されたみたいで。
●2014年フジロック観客数
7/24(木)前夜祭 10,000人
7/25(金) 27,000人
7/26(土) 35,000人
7/27(日) 30,000人
合計:102,000人
●2015年フジロック観客数
7/23(木)前夜祭 10,000人
7/24(金) 32,000人
7/25(土) 39,000人
7/26(日) 34,000人
合計:115,000人
確かに去年の入りは会場での実感値としてもさすがにちょっと心配になったけど、これぐらいなら来年はひとまずオレンジコートを復活させてほしいわー。ほんと。
お客さんを見ていて思ったこと
上の話とも関連しますが、今年のフジロックを見ていて思ったのは「普通の人がまたさらに増えたなー」ということ。
それが悪いってわけじゃなく、むしろそのおかげで今年動員が増えたなら、現実を受け入れつつ喜ぶべきことでもあります。
「普通の人」っていうのは、例えば他のフェスにもよく行っていそうなタイプの人。
言い換えると、フジロックはオフィシャルTシャツの着用率が異様に低いフェスとして僕は認識してたんだけど、一昨年~去年、そして今年と、フジロックのTシャツや出演アーティストのTシャツを着てる人がやけに増えたなと感じました。
(自分もデザインがかわいければオフィシャルのTシャツは買うので、もろにそっち側なんですけれど)
初日に見てた限りだと、グリーン~ホワイトの途中にあるアーティストグッズ売場の行列が15時~16時ぐらいまで絶えなかったのは、これまで見たことない状況でした。
あとは、邦楽フェスのTシャツや、邦楽バンドのTシャツも、すごく増えた(というか2年前ぐらいまではほとんど見かけたことなかった)。
ステージを観るお客さんを見ていても、明らかにヘンなノリ方をする人(僕はそういう人大好きなんですが)は如実に減った気はします。
ヘブンとかオレンジのフロントエリアあたりによくいた人たちです。
(今年は一例としてカフェ・ド・パリでのPerroskyにそういう人がいて、Perrockyがその人にYou wanna dance?wって絡んでた)
あと、エロい服装をしてる女子(≒パーリーな女子)もグッと減りましたね。
これはきっとUltra JapanだとかEDM系のフェスに流れたんだと思いますけれども。
そんな要素をあわせて、「普通の人が増えたな」と感じました。
ただ、2日目のKemuriやCaravanの感想にも書いた通り、まだまだお客さんがつくる“フジロックらしい雰囲気”は残ってます。
なので、僕が今年感じたような変化が、後から振り返って“終わりの始まり”だった、ってことにならなければいいなと切に願いますわ。
僕にとっての“終わり”っていうのは、例えばフロントエリアでもほぼ全員同じようなノリ方をするようなお客さんが支配的になったら、フジロックも他のフェスと同じになっちゃったなといよいよ感じることでしょう。
結局のところ、そういう意味ではではまだ「自分が楽しみたいように楽しむ、踊りたいように踊る」という人が多いから、フジロックは居心地が良く感じてます。
そこらへんのお客さん側の話と、上で書いたオレンジコートに代表される音楽の多様性の話は、まさに卵が先か鶏が先かで、難しいところですけれども(でもだからこそお互いに密接に連関することでもある)。
そんなことを思いながら回ってました。
音楽というジャンルは深すぎて深みに行けばいくほど発見があるくせに浅瀬でパチャパチャ遊んでいるだけでも十分に楽しいところが海に似ている。
— いぬたく (@inutaku_) July 27, 2015
これ↓も毎年思うこと。
次のフジロックまでまだあとファッキン360日ぐらいあるのか。破滅だわ。
— いぬたく (@inutaku_) July 28, 2015
それじゃまた来年!