JAMBORiii STATIONMusicman-NETが始めた「音楽どうする会議」に行ってきました。

JAMBORiii STATION x Musicman-NET「音楽どうする会議」 | Musicman-NET

ご出演は、以下の方々。

石井恵梨子(音楽ライター)
神谷弘一(Real Sound編集長/株式会社blueprint 代表取締役)
小林“こばーん”朋寛(ライター/エディター/音楽紹介家)
MC:三浦 紹(JAMBORiii STATION)

書き起こしはMusicman-NETに載るようなので、ここでは僕が気になった言葉をメモ代わりに記しておきます。

ウェブメディアやビジネスモデルの話

ネットメディアの原稿料は安くて5,000円、高くても10,000円を超えたことはない。
(石井恵梨子さん)

リアルサウンドはまだ赤字の状態。ウェブメディアは1,000万PVいってトントンぐらいじゃないか。
(神谷弘一さん)
すいません、PVって何でしょうか?
(石井恵梨子さん)

リアルサウンドはライターさんに対して紙の媒体に近い執筆料をなるべく払うようにしている。
(神谷弘一さん)

これからの音楽ライターはHTMLを書けたり電子書籍を一人で作れたりするといいのでは。
(三浦紹さん)

音楽批評について

曲順やMCを書き写すだけではライブレポートではない。
ライブレポートというのはそのライブにどういう価値があったのか、観客がどういうことを感じたのかを伝えるもの。
(石井恵梨子さん)

音楽雑誌がかつて書いていた批評性を取り戻そうという動きがウェブにもあり、我田引水だがリアルサウンドはそれを狙っている。
これまでも批評は2chや各ブログで展開されていたが、そこにはマネタイズの問題があった。
(神谷弘一さん)

ナタリーの原稿で主観を入れるとはじかれる。
(石井恵梨子さん)

nauのインタビュー(横山健さん、アジカン後藤さん)、売れたのは500部ぐらい。
(石井恵梨子さん)

売るよりもそこに広告を掲載した方が儲かるのでは。
例えばYahoo個人に記事を載せてかなり読まれたら(100万PV?)広告収入が50,000円ぐらいでは。そこから個人の取り分がおよそ30,000円か。
(小林“こばーん”朋寛さん)

ただnauの場合はアーティスト本人にお金が還元されるのが他と違った。
雑誌だとどれだけ話してもプロモーションなのでアーティストにはお金は入らない。
(石井恵梨子さん)

リアルサウンドの点数レビューは、リアルサウンドの中でもうまくいってないほう。
レビュー自体に需要がない。日本のユーザーが作品レビューや批評をどこまで必要としているのかという壁にぶつかっている。
Pitchforkのように1日10本、スタッフも50人などの物量があればまた変わるのかもしれない。
(神谷弘一さん)

まとめとして一言

音楽ライターだけで食べていくというのはこの先非常に厳しくなっていくだろうし、自分もそうなる覚悟でいる。
ただ批評の需要はなくならないので発信を続けることは重要だし諦めたくない。
(石井恵梨子さん)

雇用数が多い新聞社とは逆に5人〜10人の精鋭編集者でやれば、音楽メディアもやっていける可能性がある。
(神谷弘一さん)

開発費・サーバ保守費用を下げた形のスモールチームで利益を出していくという面ではYahoo個人が一つの形かなと思っている。
大きなメディアに乗って編集だけやっているという運営の形をイメージしている。
(小林さん)

僕の感想

石井さんも、神谷さんも、小林さんも、皆さんしっかり“喋れる”方々で、さらにもちろん実際に試行錯誤しながら音楽を仕事にしている方。
その三人のお話をMCの三浦さんが小気味よく回してくださっていたので、最近聴いたトークイベントの中でも一番面白かったです。

書き起こしが載るってことで、それを読んでも必ず面白いはず。

全体として、音楽業界の中でもやっぱりその時代、というか一年単位で求められる仕事・メディアが変わったり、新しい仕事・メディアの形が生まれたり、そういう反応はたくさん生まれてるんだなということを実感しました。

かと言って何をやってもうまくいく=ビジネスとして成り立つ、というわけではなくむしろそうでない人の方が圧倒的に多いわけで。
今日の皆さんはそれぞれ違うやり方で「音楽でビジネスができている」方々だから、語る言葉に価値があるなと思います。

私事ですが、2014年の2月~3月にこの「音楽どうする会議」とも少しだけ被りそうな、でもそれとはまた違う趣旨の音楽カンファレンスイベントをやろうと企画しています。
今日のトークを聴いて、僕がやろうとしているイベントもきっと欲している人はいるはず!ということも改めて確信しました。

そのイベント、もうちょっと発表できるぐらいまでに形になったら、またお知らせします。