ちょっと前の話になってしまいますが、僕が好きな彫刻家・土屋仁応(つちやよしまさ)さんの新作展に行ってきました。

会期は2015年1月9日(金)~2月7日でした。

彫刻家・土屋仁応さん個展

土屋仁応 新作彫刻展
http://www.megumiogita.com/cn5/cn7/pg420.html

木を彫っていって作り上げる土屋さんの彫刻を、僕が初めて生で目にしたのは、ちょうど4年前、2011年1月。

場所は今回の展示が行われたのと同じ、メグミオギタギャラリーでした。

その時にとても感じたのが、こういうこと。

何も発信していない。
ただそこに在る。
全てを受け容れるかのように。

けれどその存在感がどんな物よりも重く、何も主張していないはずなのに結果として作品が圧倒的に存在している感じ。

[アート]彫刻家・土屋仁応さんの個展「私的な神話」が素晴らしかった | いぬと海

彫刻家・土屋仁応さん個展

今回の展示を観て感じたのは、ほとんどの作品から、その時よりも「意思の力」を感じるということ。

僕はアートの世界には全く詳しくないですが、おそらく4年前よりも、土屋さん自身いろんな変化があったのだと思います。

作品を発表し続けることで、知名度も上がり、評価も届いているのではないでしょうか。

そう言えば先日、とある美術館の主任キュレーターをされている方とお話したんですが、当たり前のように土屋仁応さんのことはご存知でした。

上が以前の作品、下が今回出展されていた作品。

今回の方が、意思だとか、指向、ベクトル、方向性を感じます。

また、今回は瞳のガラス球も以前とは違うものを使っているそうです。

それも、また異なった印象を抱くことの大きな理由なのかもしれません。

また、土屋の木彫作品の大きな個性のひとつである眼について、これまで土屋は水晶を玉眼として使用することで見る角度によって視線が変化するような焦点のない瞳を表現してきました。
今展で土屋はガラス作家・田中福男氏の協力のもと、透明度の高いボロシリケイトガラス製の玉眼を制作、使用することで瞳のなかに白眼・虹彩・瞳孔をつくり「見つめている」瞳を表現しています。

こちらを見るだけでなく、応えようとする気持ちを眼に表した、無口だけれど饒舌な生き物の生き生きとした表情が、観る者の心により迫ってくることでしょう。

土屋仁応 新作彫刻展 メグミオギタギャラリー

人間国宝の染織家とのコラボレーション

今回の展示では、人間国宝である染織家、志村ふくみさんと志村洋子さんとのコラボレーション作品も飾られていました。

土屋さんが作品を作る(削り、彫る)過程でできた木屑をもとに、志村さんが染織したもの。

僕は染織というものもあまり詳しく知らなかったんですが、「木からこんなに美しい色が出るんだ!」とすごく驚きました。

撮影はできないので、ブログ上でどのように美しいかを伝えられないのがもどかしいんですが…。

会場には、今回のコラボレーションについて志村さんが所感を書いた文章も。

その言葉づかいから、木と向き合って何十年も染織をされてきた方の、凛とした佇まいも感じられました。

今回の展示も、行ってよかったです。

Yoshimasa Tsuchiya(公式サイト)
http://yoshimasa-tsuchiya.net/

渋谷で作品写真が販売中

いま調べたら、渋谷ヒカリエのShinQsで、土屋仁応さんの作品写真の展示販売が開催中ですね。

撮影は、以前から組まれている竹之内祐幸さん。

明日にでも行ってみようと思います。

竹之内祐幸「土屋仁応作品写真」展示販売

店舗:ラムフロム ShinQs店
期間:2/18(水) 〜 3/11(水)
協力:求龍堂

〒150-8510
東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ ShinQs(シンクス)2F

【ラムフロム ShinQs店】竹之内祐幸「土屋仁応作品写真」展示販売のお知らせ(2/18水 ~ 3/11水) | ラムフロム | LAMMFROMM Official Website(ラムフロム公式ウェブサイト)