パルコミュージアムで開催されている「はたらきたい展」に行ってきた。
はた を らく にする
僕はほぼ日をほぼ毎日読んでるわけではないんだけど、糸井重里さんを中心に「時代の雰囲気のちょっとだけ先をうまく捉えている」とよく感じている。
そんなほぼ日がやる、「はたらきたい展」も、どこか今の時代の片隅かもしれないけれど確実に存在している雰囲気だなー、と、この展示会を初めて知った時に思った。
実際、僕も働くのは嫌いじゃないし。
働きたい、と思うこともよくあるし。
という僕の感覚とほとんど同じことが、入場してすぐ、ごあいさつ追伸として書かれていた。
(以下の画像は、クリックすると少し大きく表示されます)
この展示会で一番印象に残った言葉であるのと同時に、ほんと「はたらきたい」の本質ってこれだよなあと思った。
僕はよく人との話で、「誰かの役に立つこと」、「誰かにとって価値を生み出すこと」をやっていればそれが仕事にもなるしお金にもなるって言うんだけど、それはまさに「はた を らく にすること」だなあ。
多忙なときに欠けていきやすいものがある
もう一つ、特に印象に残ったのが、1965年に糸井重里少年が現代国語の先生から言われたこと。
(というか、高校生にこれを言う先生もすごいけど、これを気に留めておく高校生もすごいよなあ)
多忙なときっていうのは、現実的な問題がいっぱいあって、それを現実的に解決したり、解決しかかったりしている状態だ。
そういうときというのは、達成感もあるし、幸福感もある。
だが、そういうときに欠けていきやすいものがあるのだ。
それは、おそらく「なぜ」という疑問とか、おおきな視野とか、人間の感情とか、何かすぐには役に立たないような、それでいて大事なことばかりなんだと思うのだ。
この言葉は僕の人生訓にしてもいいと思うぐらい、すとんと理解できる。
僕が多忙すぎないようにしているのも、間違いなく、そうやって欠けていきやすいものを欠けさせたくない、と思っているからだと思う。
広告にたよらない
上の言葉が自分の人生に関わる言葉だとしたら、こっちはそれよりちょっと違う意味で印象に残った言葉。
日本で一番有名になったコピーライターだった糸井重里さんがほぼ日をつくったのが、1998年。
その時点でもう(旧来の意味での)広告には頼らないでメディアをやっていくことを決めてたんだなあ、という点が印象的。
実際、ほぼ日の収入のほとんどが物販収入とも、この展示会で書いてあったし。
100枚のカードに書かれた言葉たち
展示の最後に、100枚のカードが並んでた。
リングまで用意されていて、自分が気になった言葉を持って帰れるようになっていて。
100枚のカードのうち、僕が特に気になった言葉は、以下のあたり。
やりはじめないと、やる気は出ません。
池谷裕二(脳科学者)
失敗しても気にせず
成功するまで続けたら、それは、成功するしかないですよね。
関野吉晴(探検家・医師)
なにかで迷ったときには
「昔の自分がかっこいいと思ってた大人」を思い出せばいい。
二十歳のころの自分が理想としてた大人ってどんなだったっけって思うと、もう、すぐ解決する。
奈良美智(アーティスト)
それって、そもそもなんなの?
と考えれば、だいたい「答え」は出ますね。
佐藤可士和(グラフィックデザイナー)
やめたほうがいいんじゃないかしら
と言ってるのに、しつこくやってる子がいい踊りを踊っています。
小松原庸子(ダンサー)
「作文の秘訣を一言でいえば、
自分にしか書けないことを、誰にでもわかる文章で書くということだけです」
もう、これがすべてだと思いました。すべての基本が、ここにある。
寄藤文平(アートディレクター)
誰でもできるような仕事を与えられたら
そのときこそ、「誰にもできない仕事にしてやろう」と思いなさい。
ジョージさん(新宿2丁目のほがらかな人)
やっぱり、ぼくたち写真家は
世界に対して、いかに「驚き続けられるか」だと思うんです。
石川直樹(写真家)
とてもおもしろい展示会でした。