ROCK IN JAPAN FES 2011、2日目の感想・雑感です。
1日目の雑感はこちら。
ロックインジャパンフェス2011 1日目雑感(2011.08.05)
こんな感じで回りました。
■心に残ったアクト
Dragon Ash
LOW IQ 01
N’夙川BOYS
細美武士(DJ)
●Dragon Ash @グラスステージ
1発目から敬愛するDragon Ash。
5月のJapan Jamでもトップバッターで、「1発目のDragon Ash」というとすっかりそのイメージが頭に刷りこまれてた。
どういうイメージかというと「おはよう、Japan Jam」と爽やかに降谷建志が言い、アコースティックなものも含めて“午前中の(爽やかな)アクト”に徹するというもの。
それはそれでDragon Ashというバンドの懐の深さの証に他ならないんだけど、個人的にはやっぱり1日のトリもしくは後半に出てきてガツン!とやってほしいなと思ったりしていた。
しかしですよ、やってくれたのですよ。
そのガツン!を。
トップバッターとして。
ロッキンに限らず、フェスのトップバッターでこんなに「今日はもうこれだけでもお腹いっぱいぐらいだわ!」と思ったことはなかったかもしれない。
消耗している自分の体、そして、胸いっぱいのなにか。
セットリストだけで判断するのもなんだけど、改めて曲を並べてみてもDragon Ashが本気で勝負してきてくれたことがわかる。
「陽はまたのぼりくりかえす」、「For divers area」、「La Bamba」、「Bring It」、「Life goes on」、「AMBITIOUS」、「百合の咲く場所で」、「Fantasista」、「ROCK BAND」、「運命共同体」。
降谷建志が「12年間、ここで好きな音楽をやれることを人生で一番誇りに思います」って言っていた。
けど僕からしてみれば、11年前から大好きなバンドが毎年このステージで最高なライブをしてくれて、自分に何かを与えてくれることって、ものすごく幸せなことなんだよね。
その幸せに常に自覚的でありたい。
同時に、今年は健康面でもいろいろあったけど、いつもと同じようにこのロッキンでDragon Ashのステージが観られて本当によかった。
馬場さんの回復もお祈りしています。
↓「AMBITIOUS」って「Fantasista」の陰に隠れがちだけど、ほんといい曲だと思う。
そんなわけで、初っ端から予想以上の消耗っぷり。
Nothing’s Carved In Stoneは、レイクで座りながら。
生形さんのギター少年っぷりと、ひなっちのベース少年っぷりが清々しい。
1発目が「Isolation」ってのもテンション上がるわー。
NCISって、横の二人に負けないぐらいの村松さんというボーカルが見つかったっていうところが最大の成功だよねえ。
ほんといいバンド。
↓そんな「Isolation」。
●TOTALFAT @サウンドオブフォレスト
去年の夏はパークで楽しく踊りまくらせてもらったTOTALFAT。
(そういやCDJで今年の元旦はTOTALFATで迎えたんだった)
彼らの音は、他のパンクロックバンドよりも踊れるところが好き。
特に去年の秋以降、メインMCをJose(ボーカルギター)じゃなくてShun(ベース)が話す時間が多くなってきてるのはバンドにとっていいことだと思う。
どう見てもShunの方がある程度ちゃんとしゃべれるからなあ。
あとTOTALFATがもう一歩階段を上るとしたら、申し訳ないけどJoseの歌唱力・声量かなあ。
「Overdrive」とか、Shunが煽ってイントロからすごく盛り上がるんだけど、Joseがあまり声の出ない高音で歌い始めると、個人的にはへなへなっとしちゃうんだよねえ…。
とはいえ、十分に楽しく踊らせてもらいました。
踊るのと同時に2割ぐらい冷静な自分もいて、その自分はBuntaのドラムを観てる。
彼のドラム、すごく好きなんです。
本人がドラム好きで叩いてることがすごく伝わってくる。
↓これはほんとに名曲。
と、今日は特に汗のかきっぷりが半端ないので、SPECIAL OTHERSも座って聴くことに(レイクはけっこう埋まってたなあ)。
ラスト、降谷建志のサプライズ登場&コラボ曲披露もあったりして、そのときは興奮しちゃったよ。
レイクステージ一面で色とりどりのタオルが舞う光景、綺麗だった。
フォレストから流れ聞こえてくるMONOBRIGHTを聴きながら、ごはん&休憩。
この日のこの昼のラインナップ、どれも真剣に聴いて踊ったりしてたらどんだけ体力があっても足りないよねえ…。
「JOYJOYエクスペリエンス」とかお馴染みの好きな曲を聞きながらまったりしてると、ああフェスっていいなあと思う。
茨城ホルモンカリーのカツカレー(800円)も美味かった。
●LOW IQ 01 @レイクステージ
このために一年を生きてると言っても決して言い過ぎではない、レイクでのいっちゃんの時間がきたよ!
首都圏のいっちゃんワンマンはすべて行ってるけれど、やっぱりレイクでのいっちゃんは思い入れを含めて特別感が違うんだよ。
ロッキンでレイクステージができた創成期から、フェスの楽しさを教えてくれた人(とアクト)と言っても過言ではない。
登場して1発目は最新アルバム「MASTER LOW GO」の最後の曲になってる「FIREWORKS」。
少し意表を突かれたけど、そうか、フェスの登場1発目で流すのもすっごくアリだなーと思った。
いっちゃんの素敵な感覚の一つであるパーティ感、お祭り感がすごくよく出てる、大好きな曲。
最初は一人で楽しんでいたけれど、ライブ中盤から真ん中でサークルができたので思わずそっちに行ってしまった。
いっちゃんがセットリストをいつもどう考えて組んでるのかはよく分からないのだけれど、この日は「WAY IT IS」や「So Easy」のようなみんなで盛り上がれる曲を中盤以降に固めてくれて、それがもう、ものすごく楽しかった。
サークルってアーティスト(ライブ)によってはちょっと無理やりに作られる場合もあって、そういうのはマイナスな部分ばかりが目についてしまうけど、いっちゃんのライブで発生するサークルはいつもすごく幸せなオーラが出ていて好きだなー。
今年も楽しませていただきました。
そういえば去年から灼熱のレイクステージでモッズ系上下スーツを着なくなったイチさん。
「痩せ我慢は40歳まで」って言ってて笑ったよ。
↓ライブ映像を貼ってみるものの、いっちゃんのライブこそ、その場にいてなんぼですわ。
歌唱力があるわけじゃないだけに(笑)
ここでかなり消耗してるんだけど、今年はここからすぐさまシーサイドに向かわなければいけない。
なぜなら、ものすごく楽しみにしていたN’夙川BOYSがいるから!
●N’夙川BOYS @シーサイドステージ
なんとかスタートに間に合った。
「物語はちと?不安定」のPVに心をズキューン!と突き刺されて、それ以来この日のステージが楽しみで楽しみでしょうがなかった。
もちろんライブは初見。
久しぶりに味わうこのワクワク感。
ロックバンドにワクワクするのってなんでこんなに楽しいんだろう。
そのワクワク感は彼らがすぐ目の前でライブをやっている30分間もずっと続いて、その自分の気持ちこそがロックンロールというものに突き動かされてるんだとすごく実感した。
以下の二つは、ライブを観た直後にTwitterでつぶやいたこと。
夙川BOYS、大好きだわー!ロックバンドのきらめきってこういうものだよね!っていう、一握りのバンドしか持ち得ないキラキラ美しいものを感じられた。まあつまりは素晴らしかったってことだよ!
江頭2:50の純粋で優しいところが大好きでなおかつロックンロールも大好きって人がいたら、夙川BOYSのライブを観に行くことをぜひおすすめしたい。
彼ら、特にマーヤの発散する「何かがしたくてしたくてたまらない感じ、そのエネルギー」に120%賛同したい。
これはすごく良い意味でなんだけど、「歌も歌いたいけど話もしたい」と言いながらマーヤが観客に語りかけるその姿勢が僕の大好きな江頭2:50に似ていた。
その「もうどうにもならない感じ」って、ロックというものに一番大切なものなんじゃないかなー。
夙川BOYSって、人に自慢できるような演奏力がなくても、ロックに一番大切なものを持っているんだな。
マーヤが「普段はアルバイトをしていて、こんなにたくさんの人に話す機会なんてないから、一人ずつ個人面談をしていきたい」と言っていたのがすごく印象的。
この人のこと、好きだなあ。
わたしでよかったら、すごく個人面談させていただきたい。
あの日以来、ますます夙川熱が加速している。
↓このPVが今も突き刺さっているわけですよ。
夙川をちゃんと観るからにはモーモールルギャバンは諦めていたのだけど、案の定ウィングテントは入場規制。
(彼らは新宿LOFTのワンマンでちゃんと観られるのを楽しみにしてる)
先月のSHIBUYA-AXでのGGイベントと同じく、ラストは「サイケな恋人」。
テントの中から盛大なパンティーコールが聞こえてきた。
そこからSOILやフジファブリックを少し観つつ、この日の〆としてDJブースへ。
●細美武士 @DJブース
この日、「細美さん目当て」でDJブースに足を運んだ人は多かったと思う。
DJブースは超満員。
実際、僕も細美さんだから行ったわけだし。
でもちょっと予想とは違う展開で、僕はその展開とそれがもたらした結果に感動すらしてしまった。
どういうことが起こって僕がどう感じたのか、ちょっと記してみます。
細美さんはお客さんの“期待”とは裏腹に、最初からテクノ(それも時にけっこうミニマルなやつ)をかけていた。
最初は「それが細美さんのかけた曲だから」手を振ったりノったりしていた人もいたんだけど、そういった曲がずっと続くので次第に「細美さん目当て」のお客さんは減っていった。
で、それでもそこの場に残ったのは、もちろん細美さんも好きだけれど音楽自体もすごく好き、という人たちだったんだと思う。
そんな中で細美さんのかける曲は徐々にアッパーな曲になっていった。
お客さんたちは細美さんのかけた曲だからというわけではなく、純粋に「いい音楽だから」「好きなリズムだから」踊り始めたんじゃないかなあ(ここはちょっと推測も入っちゃうけど)。
僕個人としても、そこらへんの曲は好きなタイプの曲だったし、ついでに言うと「やっぱり細美さんって美しい曲が好きなんだなあ」という感想も抱いた。
最後の方にはかなり踊れる曲ばかりになっていて、細美さんは前に出てすごく楽しそうに踊ってた。
そんな細美さんを見て僕も嬉しくなって、ますますその空間が好きになってしまった。
僕が何が言いたい(何を感じた)かというと、ですね。
細美さんが最初からお客さんを盛り上がらせるのって簡単だったと思う。
「お客さんが求めていた曲」(たぶんエルレやHIATUSの曲)をかければいいわけだから。
でもそうせずに、自分が良いと思う音楽をひたすら流し続けた細美さんのことを、僕は「やっぱり素敵な音楽人だ」と思ったんだ。
しかもその信念を貫き通すことで、最初は「細美さんだから」ということで集まっていた人たちを「良い音楽だから」という理由で踊らせて、「細美さんつながり」ではなく「音楽つながり」の一つの空間を作り上げた。
細美さんのその姿勢に、感動すら覚えた。
付け加えると、とはいえサービス精神のバランスもすごくよかったと思う。
というのも、次のDJであるTOTALFATが最初にエルレの曲をかけて、細美さんが再登場して踊る&大盛り上がり、というシーンになったんです。
自分が譲れない部分とお客さんのニーズとのバランスの取り方・着地のさせ方が絶妙だったと思う。
いつものライブも素晴らしいけれど、その中の細美武士というエッセンスがぎゅっと詰まったようなDJっぷりで、すごくよかったなー。
と、あっという間の1時間でお腹いっぱいになったので、2日目はこれにて終了。
ありがとうございました!
◇そのほか、今年のフェス雑感
・フジロック2011 1日目雑感(2011.07.29)
・フジロック2011 2日目雑感(2011.07.30)
・フジロック2011 3日目雑感(2011.07.31)