毛皮のマリーズ、コミカル・ヒステリー・ツアーのファイナル・SHIBUYA-AXに行ってきた!

バンドというのはまさに“生き物”で、人間がやっているもの。

そういう当たり前のことをつい忘れてしまうこともあるんだけど、今年の毛皮のマリーズは特にライブが“化けた”バンドだと思ってる。
とか偉そうに言いながら僕は生で観るのはこの日で3回目なんだけれども。

2月に初めて観た時と、今と、ライブが全く違うのだ。

2010年2月14日にダイノジロックフェスで観た時は、いわゆる“周りの奴等をナイフで傷つけそうな”危ういライブをするバンドだった。

それが夏にロッキンで観た時は、完っ全にピースフルな、オーディエンスを包み込むような慈愛に満ちたライブをするバンドになっていたのだ。
僕も観てみてビックリした!という感想をその時のエントリで書いてる。
ロックインジャパン2010 3日目(2010.08.08) 「歳月」 – いぬと海

志磨遼平が「今年の4月にやったツアーで初めて観客が怖くなくなった」と言っていて(rockin’on japanより)。それまでは客を敵だと思ってやってたそうだ。

もう、「こんなに変わるものなんだな」というぐらいにライブが変わっていて、そのロッキンでのアクトを観て「これはワンマンに行きたい!」と思ったものでした。
(以上、長い前置き終わり)

というわけで、この日(ツアー・ファイナル)。

オープニングSEが「愛の讃歌」じゃなかったのは意外。
志磨遼平は赤いグローブをつけてる。
それを見て「ああ、イエローモンキー時代の吉井和哉さんも『パンチ!パンチ!』とか言ってた頃があったなあ」とか思った。
でもどうやら元はデヴィッド・ボウイがやってたらしい。
デヴィッド・ボウイと吉井和哉と志磨遼平、もちろんつながりを感じずにはいられない。ていうか、つながってるよね。

初っ端から「緊張して歌詞を飛ばしてしまいましたぁ」と言ってた志磨遼平。

いや、とにかく毛皮のマリーズの魅力の大部分はこの人が担ってると言っても過言ではない。
それぐらい僕は大好きだ。

ライブ中の仕草。立ち振る舞い。言葉の選び方。
全てがもう魅力的で、僕にとってのロックスター。

ライブ直後に自分がTwitterにpostした言葉をそのまま引用してみる。

マリーズおわったー。やっぱり今わたしが日本のロックスターを挙げろと言われたら志磨遼平は確実にその中に入るわ!ほんとに彼はロックスター!

わたしなりのロックスターの定義は、かっこいいことと美しいことに加えて、キュートであること、セクシーであること、かわいらしいこと。これらを兼ね揃えてるのが吉井和哉だったり志磨遼平だったり。

ちなみに他にこの定義に当てはまる人は、例えば矢沢永吉さんも挙げられたりします。

とにかくステージ上の志磨遼平が魅力的すぎるのだ。
楽曲をそこまで詳しく知らなくても、フロントマンである彼の存在だけでライブとして成り立つ。

また、この日のライブでの個人的な発見は、ギターの西くん(越川)のかっこ良さ。
ちょっとスリムで前髪がぱっつん切れた風貌も、もちろんギターの音も、僕の中で典型的なかっこいいロックギタリスト。

毛皮のマリーズって一つ一つの曲をすごく大事にしていて、それぞれのライブでの“生かしどころ”をよく分かってるなーということも感じた。

例えば「ザ・フール」では前奏を長めにとって、後半に現れる栗本のソロ・コーラスでは神々しい雰囲気すら醸し出していて。
一つ一つの楽曲を本人たちが愛しているからこそできる“演出”だった。

もちろんその最高峰が「ビューティフル」であることは言うまでもなく。
この曲(とその入り方)には泣かされる。
前フリMCをした上で、志磨遼平が心を込めながら「私は 人生複雑骨折…」と絞り出すように歌った瞬間なんて、もうたまらないのよ!

アンコールも終わった本当のラストに、「愛の讃歌」が流れた。
ここで流すか!という素敵な終わり方。

志磨遼平は「観客が怖かった」頃も、ただ怖がっていただけで元々は愛に溢れた人物なんだよね、きっと。
その愛をライブという形式の中でもストレートに伝えることができるようになって、毛皮のマリーズは何倍も魅力が増したと思う。

この日、志磨遼平は「一緒に年を取って行こう」って何度も言ってた。

うん。
僕にとって大切なバンドがまた一つ増えた。

より詳細な(ちゃんとした)ライブレポはこちらで。 
毛皮のマリーズ@SHIBUYA-AX | 邦楽ライブレポート | RO69)
(セットリストもこちらからいただきました)

セットリスト 毛皮のマリーズ 2010.12.17@SHIBUYA-AX

1:Mary Lou
2:ベイビー・モートン
3:ボニーとクライドは今夜も夢中
4:或るGIRLの死
5:ザ・フール
6:金がなけりゃ
7:すてきなモリー
8:愛する or die
9:犬ロック
10:BABYDOLL
11:人生 II
12:ビューティフル
13:コミック・ジェネレイション
14:ジャーニー
15:REBEL SONG

EN-1:デュマフィスの恋人
EN-2:平和