Tamas Wells、Jónsiと続いた祝祭の週末は、日曜のTamas Wellsでハッピーエンド。
前の二日の日記はこちら。
[ライブ]Tamas Wells 2010.12.3@早稲田奉仕園スコットホール
[ライブ]Jónsi 2010.12.4@新木場studio coast

会場となった永福町sonoriumは、行くの初めて。
ウェブサイトを見てる時点で素晴らしそうなホールだと思うのと同時に、ここでタマスの歌声を聴いたらたまらないだろうな、と。

行ってみたらやっぱり美しいホールだった。

Tamas Wells@永福町sonorium

開場の5分前ぐらいに到着。
すでにちょっと並んでたけど、会場に入ると隅っこながらも最前列に座れた!
うーん、やばい位置だ。
しかも左側で、目の前にタマスが来ることになるってば!やばい。
(二日前の早稲田とはタマスとキムの位置が逆になってた)

二日前は少し遅刻して入ったため完全に観られなかった短編ドキュメンタリーも観られた。
これがまた素晴らしい出来。

ミャンマーの生活の音、自動車の音、雨の音。
そういったものに囲まれながら(時にはその音をCDに収録してしまったりしながら)演奏し、レコーディングを行うタマス。

もちろん本当の“創作”の過程にはもっと辛いこともあるのだろうけれど、でもタマスを今までになく身近に感じることができた。
二日前に本物のタマスを目の前に、本物の歌声を聴いているはずなのに、それとはまた違うリアリティ。

「Fire Balloons」がこの短編映像の一種の“テーマ曲”のようになってるんだけれど、悲しくもあり美しくもある(正確に言えば悲しい調子から始まってサビで美しく昇華される)この曲はタマスをよく表している曲なんだな、と。
この時点でちょっと涙ぐむ。

短編ドキュメンタリーの後は、一昨日と同様にキム・ビールスのアクト。
やってる曲も違ったけど、一昨日よりこの日の方が好きだったな。
(すいません、その理由はちょっと分からないというか忘れてしまった)

そしてタマス。

Tamas Wells@永福町sonorium

うわー、僕の目の前、ほんの1メートル先にタマスが立ってるよ!
タマスが歩いてきて、空気が揺れ動いて、その香水や体臭までほんのりと匂ってくるという。
なんていうリアルな。

「My Name is タマちゃん.」というタマスの先制パンチで、会場和む。

一曲目、「Stitch In Time」から始まったのはすごく意外。
一昨日に続いてタマスのライブを観るのはまだ二回目だけど、こういう入り方もするのか、と。
正直ノーマーク気味な曲だったので、最初に音を聴いたとき、(メロディはもちろん知ってるけれど)どのアルバムに入ってるなんていう曲か分からなかった。

二曲目に「From Prying Plans Into The Fire」をやったけれど、その次は「Signs I Can’t Read」「An Organisation For Occasions Of Joy And Sorrow」と、タマスの中でもさらにSadな曲が続く。
(この曲は一昨日はアンコールでタマスがピアノ・ソロをやっていたよね)

タマスはアウン・サン・スーチーのことを話していた。平和のための軍備の話だとか。
京都では話したのかな?
やっぱりタイミング的に話しておきたかったことなんだろう。

次の「Fine, Don’t Follow a Tiny Boat for a Day」のイントロギターが流れたところで、会場も肩に入ってた力をホッと抜いたような感じ。
(それにしてもこの曲の軽妙でありつつ優しい感じ、大好きだなあ)

そこからは「When We Do Fail Abigail」、そして「The Opportunity Fair」と、タマス的王道。
ここらへんはきっと僕も涙ぐんでたのではないかと思う。
なんで涙ぐんじゃうのだろうね、タマスの歌は。

で、実はこの日のアクトが終わった後、僕は「一昨日よりもだいぶSadなセットリストだったかな」という印象を抱いたの。
でも「Fine, Don’t Follow a Tiny Boat for a Day」以降は一昨日とほとんど同じセットリストだったんだね。

序盤の入り方が違うだけでもライブの印象がだいぶ違う、ってことなのか、僕が一つ一つの曲の意味をちゃんと考えて受け取ってないってことなのか…orz

でもやっぱり20mぐらい先で歌うのを観ているのと(それでも通常のライブでは十分に近い方なんだけど)、1m先で歌うのを観ているのでは、絶対に印象って違うよね。

この日はアンソニーがピアノを間違えてタマスとキムが突っ込むシーンがあったり、その後にタマスがわざと間違えて(ボケて?)さらに思い出し笑いして演奏を中断したり(笑)、すごくフレンドリーで温かい雰囲気だった。

「Melon Street Book Club」が生まれたアンソニーとの思い出の話とか、そういう一つ一つの話や言葉(完全に聴き取れなくても)だとか、言葉でなくてもタマスの一挙手一投足だとか、それらが僕(たち)とタマスをますます近づけてくれるような。
そんな幸せな空間だった。

「I’m Sorry That The Kitchen Is On Fire」では、「Friday」を会場のみんなで一緒に歌うようにしてくれて。
そんなことをされたら、これからこの曲を聴くたびに「Friday」を一緒に言う人がいなくて寂しくなるじゃないか!
(いや、嫁と一緒に歌うことにするか)

でもあの空間・あの瞬間をなるべく長く感じていたくて、心をこめて「Friday」って言ったつもり。

この日のアンコールではピアノ・ソロはなくて、二曲とも歌モノ。
「Fire Balloons」「For The Aperture」
最初から最後まで、タマスは優しかったし、タマスの奏でる曲も優しかった。

ああ、次に日本に来てくれる日が待ち遠しすぎる。
これはもう恋に近い感じ。

「会いたい」と思える人・アーティストがいるというのは、なんて素敵なことなのでしょう。
次に日本に来てくれる日を心待ちにしています。

セットリスト Tamas Wells 2010.12.5@永福町sonorium

1. Stitch In Time
2. From Prying Plans Into The Fire
3. Signs I Can’t Read
4. An Organisation For Occasions Of Joy And Sorrow
5. Fine, Don’t Follow A Tiny Boat For A Day
6. When We Do Fail Abigail
7. The Opportunity Fair
8. Reduced To Clear
9. O
pen The Blinds
10. Lichen And Bees
11. True Believers
12. Your Hands Into Mine
13. England Had A Queen
14. Vendredi
15. The Crime At Edmond Lake
16. Melon Street Book Club
17. A Dark Horse Will Either Run First Or Last
18. Valder Fields
19. Writers From Nepean News
20. I’m Sorry That The Kitchen Is On Fire

[Encore]
1. Fire Balloons
2. For The Aperture

12月3日の感想でも紹介した方の、この日の分の感想。
(またセットリストを参考にさせてもらいました、ありがとうございます) 

Tamas Wells live in Tokyo 2010 Pt. 2: 地味音楽の小部屋

あと、12月4日に広島から京都まで観に行った方の感想。
これも心に沁みる。
タマス好きの方にはやっぱり素敵な人が多いんじゃないか。

www.kicca.info/2010.12.htm