昨日のエントリの続き的なコラムです。
「ダイバー、特にプロダイバーには、どうしてウェブ好きな人が少ないのか」
というテーマ。

都市型ショップや現地サービスで働いていらっしゃるガイドさん・インストラクターさんの場合は、
単純な理由でほぼ説明がつくと思います。

それは、「日々の業務でそれどころじゃないから」。

僕は常勤スタッフとして働いた経験があるわけではなく、
近くで拝見したりお手伝いをさせてもらっているだけですけれども、
都市型ショップにせよ、現地サービスにせよ、
そりゃあもうほんとに忙しいと思います。
(もちろん、お店によって度合いの差はありますけれども)

そういう方々が、ウェブを使用・利用することはあっても、
ウェブについて詳しくなる、とか、
ウェブの新しいサービスに食いつく、とかいうことは、
現実的ににほぼないでしょう。

ウェブというものに対する意識としては、例えば車とかと同じで、
「自分の生業(=ダイビング)を成り立たせるための一つのツール」
といった感じではないでしょうか。

では、プロではないダイバーさん、
つまり一般のダイバー層に関してなんですが…。
もちろん、ダイバーという人口の絶対数が少ないことはあるかと思います。

なので、例えば僕がウェブの中を歩き回ったりしてみても、
出会う可能性は少ない、と。

ただ、
「いわゆる普通のダイバーさんとウェブとのそもそもの親和性」みたいな点は、
ちょっと今はなんとも言えません…。

詳しいアンケート資料があるわけでもないですし、
そもそもバシッとした傾向や結論(例えば「ダイバーはウェブがあまり好きではない」とか)を
決めつけられるのかどうかも分からないです。

そこらへんは「ダイバーさんだから」とか「ダイバーという人種が…」という話ではなく、
もはや一般的なキャズムの話になるのかなあ、と。

キャズムというのは、
あるハイテクなモノ・技術が一般層(マジョリティ)に受け入れられるかどうかの”溝”のことです。

キャズムの図
開発する人(イノベーター)がいて、
次にそれにいち早く飛びつく人(アーリー・アダプター)がいて、
そこから一般層(アーリー・マジョリティ、レイト・マジョリティ)に広がる前に、
かーなりの溝(=キャズム)がある、という理論です。

これはもはや致し方のないことですねー。

現時点で言えば、mixiはとっくにキャズムを越えています。
だから、mixiの中では、ダイバーさんと出会うことも多い、と。

けれどその他のウェブサービスでは、
ダイバーさん遭遇率は一気にガタッと落ちます。
また、ダイバーさんが多く集うような総合サイトも、
まだまだ確立されていないのが現状です…。

そんなわけで、若干お茶を濁しつつなダイビング×ウェブ論なんですけれども、
本来ならこういう話は、
既存のダイビングメディアが日々真剣に考えなきゃいけないテーマなんですよね。

人間って、「今は存在していないモノ」に対しての不満は感じにくいものだと思います。
(既存のモノに対しては、あれこれ思ったりするんですけれども)

とはいえ、「今はなくても、もし存在していたら価値のあるモノ」は必ずあるわけで、
それは誰かが考え出さないといけないんですよね。
(そうすると、みんながハッピーになる、と)

それはまさにInnovate(創出する・革新する)ということで、
上のキャズムの図で言うところのInnovatorsになるわけですけれども。

なにか、どうにかならないものですかねえ。

最近、そんなことをよく考えております。