寝る前にみる水中写真 Vol.2
なにか ひとつでも どんなことでもいいから ひとつでも さきにすすんだのなら そこは ぜんぜん ちがうせかい
なにか ひとつでも どんなことでもいいから ひとつでも さきにすすんだのなら そこは ぜんぜん ちがうせかい
お母さんがいない、という場所なんて、 想像したこともなかった。
上をむいていれば なにか いいことがあるかもしれないよ 下をむいているよりは ね
その一日は、 テーブルクロスにこぼしたコーヒーの染みのように、 ベニカエルアンコウの心の中にこびり付いている。
ハナタツの家が朽ち果て、直に崩れ落ちるのは明白だった。
たべたい たべたい コケギンポは きょうも そうおもっていました
冬には、日の光がいっさい射さない地だった。
イチモンジハゼは、怯えていた。 カゴメノリの森なんて、来たくはなかったのだ。
「お前は黙ってろ!」 父親は、母親を怒鳴りつけると、再び息子の方に寄ってきた。
アカメハゼは、高いところが好きだった。