アジアチャンピオンズリーグ(ACL)2015、グループステージ全6試合が終了しましたね。
日本勢の試合は、時間が被っていたもの以外はほとんど全て観ていました。
その中で、コンディションの面から第3節〜第4節あたりでようやく結果を残すことができ始めた日本勢の出来や、あるいは中●日という試合日程に言及した意見などを見ていて、試合日程が結果にどれぐらい関係しているんだろうと思い、データとしてまとめてみました。
対象にしているのは東アジア勢のグループE〜Hの4グループ、日本勢以外も含めた全チームです。
すいません、中東勢のA〜Dグループは、アラビア語で自国のスケジュールなどを調べるのが面倒だったので…。笑
着目したのは、主に以下の二点です。
- 中2日と中3日(以上)で勝率は大きく異なるのか
- シーズン開幕直後(初めての公式戦)の勝率はどうなっているのか
ただ、前者については各クラブのターンオーバー加減も大きく関係するでしょうし、後者についてはキャンプの始動時期などもまちまちでしょう(鹿島はACLのためにキャンプの始動を早めたという報道も見かけました)。
また、移動があるアウェーかホームかという日程もチーム状態には大きく影響しそうですが、「中●日」と「ホームかアウェーか」も掛け合わせるとデータ量としてますます有用じゃなくなりそうなので、ここでは無視しています。
なので、単に数字的な日程面から切り取ったデータとして楽しんでもらえればと思います。
ちなみに各クラブのリーグスケジュールを調べてみたら、グループEのベカメックス・ビンズオンだけイレギュラーで、ベトナムVリーグでの第7節(2/8)から第8節(4/3)まで、ACLに専念するためなのか、試合を延期されてます。
まあ、その間はACLで3連敗しちゃってるんですが。そこは日程面はあまり関係なく、チームとしての地力かな…と。
中2日vs中3日(以上)の全試合結果
ACLで中2日と中3日(以上)の日程で勝率は大きく異なるのかが気になっていたので、グループE〜H(東アジア勢)の全試合のインターバルを調べてみた。その結果、中2日のクラブから見て、中3日(以上)のクラブとの対戦成績は、4勝4敗4分。意外と関係がなかった。
— いぬたく(サッカー用) (@inu_foot) May 12, 2015
中2日vs中3日(以上)になった対戦は、合計12試合ありました。
(ただし後述する、片方のチームがシーズン最初の公式戦だったケースは除外)
日程 | ホーム | スコア | アウェイ |
---|---|---|---|
3/3 | 城南(中6日) | 2-0 | ガンバ(中2日) |
3/17 | 全北現代(中2日) | 3-0 | ビンズオン(上記の通りリーグ戦なし) |
3/17 | 広州富力(中3日) | 0-1 | 城南(中2日) |
3/17 | 北京国安(中3日) | 3-2 | 浦和(中2日) |
3/18 | ブリスベン(中2日) | 3-3 | 水原三星(中3日) |
4/7 | 城南(中2日) | 2-3 | 広州富力(中3日) |
4/7 | Wシドニー(中3日) | 1-1 | FCソウル(中2日) |
4/21 | 浦和(中3日) | 1-2 | 水原三星(中2日) |
4/21 | Wシドニー(中2日) | 1-2 | 鹿島(中4日) |
4/21 | FCソウル(中2日) | 0-0 | 広州恒大(中3日) |
5/5 | 水原三星(中2日) | 1-1 | 北京国安(中3日) |
5/5 | ブリスベン(中3日) | 1-2 | 浦和(中2日) |
中2日のクラブから見て、中3日(以上)のクラブとの対戦成績は、4勝4敗4分。
意外と中2日だからと言って極端に勝率が下がるわけではないんですね。
ただ、繰り返しますが、中2日という単純な数字だけではなく、各クラブがどういうターンオーバーを敷いているかも含めて扱わないといけないデータですよね。
最後の浦和が中2日で臨んだブリスベン・ロアー戦(5/5)は、消化試合になっていて主力組は使わずフレッシュなメンバーの頑張りで挙げた勝利だったので、中2日という日程は実質的に関係ない形でしたし。
日本勢は中2日だと妙に勝率が下がる
ただ日本勢に限って言うと、中2日で臨んだACLの試合は、1勝3敗。しかもそのその1勝も、浦和がフレッシュなメンバーで臨んだ最終節、ブリスベン・ロアー戦。それを除くと、日本勢は中2日では3戦全敗。
— いぬたく(サッカー用) (@inu_foot) May 12, 2015
日本勢4クラブに限って言えば、中2日で臨んだ試合は合計4試合。
日程 | ホーム | スコア | アウェイ |
---|---|---|---|
3/3 | 城南(中6日) | 2-0 | ガンバ(中2日) |
3/17 | 北京国安(中3日) | 3-2 | 浦和(中2日) |
5/5 | ブリスベン(中3日) | 1-2 | 浦和(中2日) |
5/5 | 鹿島(中2日) | 2-3 | FCソウル(中2日) |
内訳は、1勝3敗。
4試合のうち浦和が2試合あり、あとは鹿島とガンバが1試合ずつ(柏はなし)。
その1勝というのも、上で書いたように浦和がフレッシュなメンバーで臨んだ最終節、ブリスベン・ロアー戦(1-2で勝利)。
(ただ、それを言うと最終節の鹿島も、その直前のJリーグ甲府戦ではかなりメンバーを落として温存していましたけれどもね…)
それを除いてしまうと、日本勢は中2日では3戦全敗。
ちなみに最終節の鹿島は中2日だったのでこの表には含めていますが、相手のFCソウルも中2日だったので、一つ前の「中2日vs中3日(以上)」の表には含めていません。
日本側の視点からすると、「中2日はキツいわー(実際負けが多いわー)」なんですが、上記のように他国クラブを含めて考えると、意外と中2日の勝率が極端に下がるわけではなかったことになっています。
それを考えると、「なぜ日本勢は中2日だと勝率が下がるのか」という議論の出発点にはできるかもしれません。
シーズン初の公式戦も勝率は悪い
ACLの本戦(グループステージ)は2月下旬(今年は2/24〜25)に始まるわけですが、それがシーズン最初の公式戦になるケースもあります。
逆にシーズン最初の公式戦にならないケースは、3パターン。
- オーストラリア、タイ、ベトナムのようにすでにシーズンが始まっているリーグ。
- リーグ開幕前にスーパーカップを戦ったクラブ(浦和、ガンバ、広州恒大、山東魯能)
- 予備戦からACLを勝ち抜いてきたクラブ(柏、広州富力)
そこで、第1節の中からシーズン最初の公式戦になったケースを挙げてみます。
(※)がついているクラブが、シーズン最初の公式戦。
日程 | ホーム | スコア | アウェイ |
---|---|---|---|
2/24 | 全北現代(※) | 0-0 | 柏 |
2/24 | ガンバ大阪(※) | 0-2 | 広州富力 |
2/24 | ブリーラム | 2-1 | 城南(※) |
2/25 | 水原三星(※) | 2-1 | 浦和(※) |
2/25 | 鹿島(※) | 1-3 | Wシドニー |
水原三星vs浦和はどちらも最初の公式戦同士なので除外すると、シーズン最初の公式戦になったクラブは3敗1分という成績になっています。
決して多いサンプルではありませんが、これは相関がある数字と言えるかもしれません。
ちなみに、グループE〜Hの中で、初戦がシーズン最初の公式戦で始まり、中2日の試合も2試合と、日程的には最も不利を受けていそうなクラブが城南FC。
それでも2位通過できてるのはすごいなと思いました。
また、FCソウルも、3節まで1勝1敗1分できていて、第4節〜第6節までが全て中2日という、ACL的にはとても厳しい日程。
ただその終盤3試合、2試合を引き分けた後、最後の鹿島戦の後半アディショナルタイムにモリーナが挙げた勝ち越し点はまさに死力を尽くしたものだったことが「日程面からは」読み取れます。
最後に、今回調べてみて分かった、「中2日でACL」という試合数を国別に集計したものを記しておきます。
日本:4試合
韓国:6試合
オーストラリア:3試合
中国:0試合
タイ:1試合
中国が1試合もないのはちょっと驚きました。
中国スーパーリーグは、必ずしも日程が土日で固定ではないんですよね。
とりあえずは、決勝トーナメントに残った柏とガンバ、ぜひ頑張ってほしいものです。