acl-2015

毎年、ACLの日本勢のゲームはほぼ全て観てます。

今年(2015年)はグループステージ2試合が終わって、ガンバ、浦和、鹿島、柏の日本勢は1勝1分6敗っていう惨憺たる結果。

しかも「1勝」っていうのは、だいぶ力が劣るベトナムのビン・ズオン相手に柏がホームで挙げた勝利のみ。

こんな成績の時点で全8試合の感想を書いておこうっていうのもずいぶんMですが、まあ3節まで少し間が空くので、ちょっと書いておきます。

試合を見ながらツイートしてた自分の雑感をもとに。

第1節 全北現代 0-0 柏

前半は、DFラインがきちんと引かれていて、それを副審がしっかりオフサイド取ってくれたのもあり、よく凌いだ感じ。
(意図してオフサイドトラップをかけたものではない、って選手たちが試合後に語っていたけど)

吉田達磨監督が、理想論に走り過ぎないサッカーもできる、する意識がある、っていうことが分かったゲーム。

チェ・ガンヒ監督は試合後の会見で「まるで負けたような感じだ。序盤に決めるべきところで決められなかったのが原因。柏の3バックはメンバー表を見て初めて知った」と嘆いていた。

全北 エドゥー不発…Vオッズ3番人気が本拠で不覚ドロー ― スポニチ Sponichi Annex サッカー

第1節 ガンバ大阪 0-2 広州富力

ガンバは、Jクラブであれどこが相手であれ、先制されるとキツいなあ…。

以下は1失点目の岩下の対応についての指摘。

第1節 鹿島 1-3 ウェスタン・シドニー

ユリッチvs昌子&植田のところは、そのまんま今後10年間ぐらいのオーストラリアvs日本の局所バトルにもなり得るし、昌子&植田には頑張ってほしいわー。

本山を投入して同点に追いついたところは、期待したんだけど。

昌子のオウンゴールはまだ「しょうがないかな…」と思うけれど、植田は全体的に不安定すぎたな…。

実際、次のゲームからファン・ソッコにスタメンを奪われてしまった。

ただこういうコメントを強化部長(鈴木さん)が発せられるっていうのは、良い意味で鹿島だなと感じる。

第1節 水原三星 2-1 浦和レッズ

この試合は、鹿島vsWシドニー戦の裏で観てたので、フルでは観てません。

ただ、この勝ち越し点での森脇のマークはひどかったな…。

この後のゼロックスでも宇佐美に「森脇はボールウォッチャーになるってスカウティングがあったので」って言われる始末…。

第2節 城南FC 2-0 ガンバ大阪

このまま追加点取られて終了なんだけど、初戦と同様に、先制点取られたらとにかくキツいチームなのに、小椋のあの抱きかかえは、ないわー。

ガンバに関しては日本勢4チームの中で最もコンディションに難があるようには見える。

その上でこの試合は(ターンオーバーなのか?)宇佐美をベンチスタートで、ゼロックスでも赤嶺&宇佐美(パトリックがベンチ)でスタートさせてたし、長谷川監督の中で「まだ仕上げていく状態、連携の経験を積ませる段階」っていう意識があるのかな…。

第2節 柏レイソル 5-1 ビン・ズオン

この試合だけは楽しく観られました(笑)。

ビン・ズオンは、5~6年前ぐらいまでの「安心して勝利が見込めるチーム」っていう、ちょっと懐かしい感覚に陥った。

ただ特に攻撃面では特徴のあるタレントが揃っているし、先制されて調子に乗られると厳しい試合にはなりそうっていうのは、ACLに出るぐらいのチームはどこも変わらない。

レ・コンビンも、やっぱりボール持った時のキックとシュートの精度はしっかりしてて、さすがベトナムの英雄とされるだけあるなーと改めて思った(守備に難がありすぎるけど)。

第2節 浦和レッズ 0-1 ブリスベン・ロアー

浦和はホームに戻ってきて立ち上がり、前から行ってるなと思ったら、西川がニアを破られて失点。

西川は後半はMVP級の活躍でチームを救っていただけに、このポジショニングミスはもったいない…。

興梠はすごいねー。
それに比べてズラタンは特に1トップ時に求められてる役割がちょっと不明瞭。
同じ役割だとしたら、現時点では明らかに興梠>ズラタン。

ここはペトロヴィッチ監督が「私自身が今日の前半のスタートにミスをした」と認めてるところかな。
ミシャ監督 ACLブリスベン・ロアー戦後会見|URAWA RED DIAMONDS OFFICIAL WEBSITE

ブリスベン戦の敗因は、試合運びの拙さに尽きる。やってはいけないことを、やってはいけないときにやってしまう、ということだ。

熊崎敬【蹴球日本を考える】「やってはいけないこと」をやってしまった浦和の敗北 (SOCCER DIGEST Web) – Yahoo!ニュース

第2節 FCソウル 0-1 鹿島

チェ・ヨンス監督のFCソウルは、ホームではあっても前半は我慢して0-0→後半勝負、っていう明確なプラン。

初戦で脅威になっていたカイオは、「縦だけ切れ」っていう監督のシンプルな指示を守ったチャ・ドゥリによって、カットイン→クロスしかさせてもらえなかった(で、キックの精度はイマイチなこともバレてた)。

ただ、立ち上がりからガンガン来られるよりもJクラブには好都合な気もするけれど、鹿島は前半に決め切れず(遠藤のポストとか)、後半にセットプレーから失点。

その後もカウンター(カウンター食らう時点でFCソウルもそこまで完成度高いチームではない)から柴崎→カイオを決められず。

鹿島は死のグループと言われながらも、ウェスタン・シドニーとFCソウル、どちらも勝てる相手だったのに落としているのが、ガンバと浦和に比べると敗戦の内容は違うかなと思う。

でも次はおそらくグループ内でも最強の広州恒大との連戦…。

だからこの2試合は勝たなきゃいけなかったし、そのためにキャンプ始動も早めたんだと思うんだけど…。

個別の選手に関して言うと、高崎は頑張っているけど、中国と韓国の屈強なCBと戦うにはあと一歩。

遠藤のコンディションがイマイチなのが攻撃面、特に最後のフィニッシュのところではキツい。

ただやっぱり小笠原みたいに中盤でガツガツやれる選手って、ACLではほんとにデカいなーと思います。
同様の匂いは、山本脩斗からも感じる。

まとめ

このツイートにあるように、4クラブそれぞれで敗戦の内容・原因は違うと思う。

戦績的にも順調な柏は、強豪の全北現代を相手にした初戦で、現実的な戦いをして守り切れたこと、特に中央の菅野&鈴木&増嶋にACLの経験があったのがデカいのかなと(2戦目はエドゥアルドだったけど)。

鹿島は、浦和とガンバとは違って、相手の力量を考えたら勝てる試合を(自分たちのミスもあり)どちらも落としているっていう、もったいないという印象。

浦和は、「やっちゃいけない」ことをやっちゃうってところが、チームとしてのひ弱さを感じてしまう。
上でも書いたけど、Jクラブの中では能力も経験もある選手たちなのに、なんでなのかな…。
“ビトーリア”ネルシーニョを呼べばいいのか(笑)。

ガンバは、そもそもどちらも先制された試合だからガンバの良さも出にくいんだけれど、あの展開だと4チームの中でも最も希望が見い出しづらい。
ゼロックスのように0-0で後半勝負とか、そのプランを完遂できないってところは、まだ長谷川監督のやり方がアジアレベルでは耐久できない、ってことなのかな。