今日、Facebookを見ていたら、印象に残った写真と文章がありました。

ナショナルジオグラフィックの写真家、スティーヴ・ウィンター(Steve Winter)の写真と言葉です。


Facebook – American Cetacean Societyより)


まずこの写真を見て「おお、すげえ!」と思ったんですが(すごいですよね、これ)、
そこに書かれていた英文も印象的でした。

The world needs no more pictures of pretty animals,” says National Geographic Photographer Steve Winter. “What the world needs is the story behind these animals and their struggle of being around humans.

以下、僕なりの訳です。

世界の人々が求めているのは、もはやかわいい動物の写真ではなく、
その生物の奥にあるストーリーや、人類と共に生きるための彼らの努力・あがきなんです。

「ストーリーを語る」というのは、写真に限らずどの世界でも重要になっています。
例えば広告コミュニケーションの世界でも、
ただ単に商品を買っていた時代から、
その商品にまつわるストーリーや企業の姿勢も含めて選ばれる時代になっていると思います。

その、言わば“世界的な流れ・趨勢”は写真の世界でももちろん同様で、
それをナショジオの写真家自身がちゃんと口にするんだなあ、
という点が印象的でした。

動物たちがしているのが「struggle」と表現しているのも興味深かったです。

struggle
1.もがき、身もだえ
2.努力、苦闘
struggleの意味 – 英和辞典 Weblio辞書

僕は「努力・あがき」と二つの言葉で訳してみましたが、
人間社会が自然を浸食していく中で、
あくまで動物たちの視点から努力・あがきを語ろうとする姿勢が写真家らしい、と感じました。

ここから僕が思ったツイートがこちら。

もうちょっと補足すると、
その“伝道者”的な役割が強くなると、
以前の写真家像よりもコミュニケーション能力が求められるんだろうなとも思います。

写真・映像だけでなく言葉も使って、人にちゃんと伝えられる能力。
周りのいろんな人と繋がりをもって、うまくやっていく能力。
ソーシャルメディアなど、使えるツールをちゃんと使える能力。

そこまで含めた覚悟のようなものを、
冒頭のナショナルジオグラフィックの写真家さんの言葉から感じました。

■ちなみに、可愛い動物の写真について

Twitterでも、YouTubeでも、そして日本だけに限らず海外でも、
可愛い犬や猫の写真・動画ってめちゃくちゃ人気です。

ただそれはまさに「消費・浪費されていくコンテンツ」で、
そこから金銭的な価値を付加していくのは難しいですよね。

Twitterで誰かが格言やネタを言って、
それが広まってみんなで共有・消費するのと似てきています。
言葉を発することが誰でもできるように、
写真を撮ることも誰でもできるんですよね。

だからこそ、写真家はそのストーリーを語ることや
自分の経験・知識を広め伝えることが大事になるわけですよね。

(当たり前のことですが、補足的に書いてみました)