5/15(土)&16(日)と、JAPAN JAMに行ってきます。 
ロッキング・オンがこのJAMセッション形式のフェスをやると知ったのは、
去年の暮れ、COUNT DOWN JAPANの会場。
その瞬間に「これは絶対に面白い!」と思ったので、チケットを即買いしました。

そこで、本番を三日後に控えた今日、その「面白い」という予感の根拠なんぞを書いてみようかと思います。

■去年の5月に体験したこと

このフェス、「JAM」という名前がついてますが、
Wikipedeiaによると、ジャム・セッションの定義はこんな感じ。

本格的な準備や、予め用意しておいたアレンジを使うことなしに、ミュージシャン達が集まって即興的に演奏すること。ジャム、jam。
ジャム (音楽) – Wikipedia

このJAPAN JAM、メンバー同士はけっこうな「準備」をしているので、
厳密に言うとジャムではないのかもしれません。
事前のセッションの模様は、RO69に細かく掲載されています。
(イベントのタイトル名としては、分かりやすくいてアリだと思いますが)

じゃあジャムというよりは何かと言えば、
単純にミュージシャンの「掛け合わせ」なのだと思います。
 
その「掛け合わせ」を僕が最近強く感じたのが、
去年のゴールデンウィークに武道館で行われた、亀の恩返しというイベント(2日間)。
そのときのブログもいちおう書いてます。
亀の恩返しに行ってきました – いぬと海

ここで感じたのが、
「ミュージシャン同士の掛け合わせで無限の可能性が生まれる!」
ということでした。

スピッツ×JUJU、平井堅×椎名林檎…、
ソロライブでは決して観られない“掛け算”、“相乗効果”をめちゃくちゃ感じました。

その後も、ちょうどその亀の恩返しをきっかけに、
8月のロックロックこんにちは!でスピッツと平井堅のセッションが観られたり。
(参照:ロックロックこんにちはでスピッツ愛を再確認する

■「ライブ」の価値

ただ、「掛け合わせる」ってこと自体は誰でも考えられるし、想像もできること。

このJAPAN JAMというイベントで僕がなんとなく思っているのは、
「世の中的に、やはりライブに回帰していく大きな流れが生まれてるのでは」
ということ。

ライブ。
生。
その場所。

こないだ坂本龍一さんもこんなこと言っていて、
恐れ多くも完全に同意しました。

音楽が目に見えない、触れられないデータ化されたものになっている今、もう一度音楽のおおもとのかたち - ライブへの欲求が強くなっている。
これはすごく面白いことだなと思っています。
なにか必然的な理由があるような気がしてね
坂本龍一氏に訊く、これからの音楽のかたちと価値とは – Phile-web

じゃあ“ライブの本質”って何かを考えると、
大きく分けて二つに集約されると思うんです。

・目の前にミュージシャンがいること
・その場・その瞬間しか味わえないこと

JAMという形式って、まさにこのライブの二つの本質を射抜いてるんですよね。

目の前にミュージシャン同士の見たことのない“掛け合わせ”があって、
それは今まで見たことないものだし、これから見られる保証もない!!

JAPAN JAMってのは、ライブの本質をスコーン!と打ったフェスになる予感がしています。

(もっと言えば、きっとDVD化される予定もない。笑)

もちろん、例えばAというミュージシャンが全国を回るのもまた「ライブ」ですし、
北海道から沖縄までツアーで回ったとして、同じライブは二度とありません。

その場合の北海道公演と東京公演の違い、
例えばセットリストやメンバーのメンタル・技術的な違いを見るのも楽しいもの。

ただその点、このJAPAN JAMのような形式って、
それ以上の「違い」、そして「一期一会感」を味わえるわけですよね!

僕はそこにめっちゃワクワクしております。

■強いて挙げれば、という程度の懸念

(僕は全然気にしてないのですが)念のため、懸念されることを
ちょっと無理やり二点ほど書いてみます。

一つは、ジャム・セッションって、“足し算”ではなく“掛け算”なこと。

100点のライブをするミュージシャンも、
セッション相手のハマり具合で失敗すると、
「100×-10=-1000」みたいに急に大幅マイナスになってしまう危険性がある、と。
「100-10=90」みたいに「失敗しても90点はキープできるぞ」みたいなことではないと思うんですね。

ただ、ここはJAPAN JAMに出演するミュージシャンを信じてます。
バンドの中に異物を入れることは、我々が想像するよりずっと難しいことだと思いますが、
それでもやってくれる!と(盲目的に)信じてます。
(この信頼感を、ワールドカップ日本代表にも抱きたいぐらいです)

また、たぶんロッキング・オン側もミュージシャン選定にはかなりナイーブになったと思います。
その“目”も信じます!

二つ目は、そのミュージシャンと曲をあまり知らない場合。

単純に、原曲をあまり知らないと「この曲にこんな化学反応が起こるんだ!」
という感動が少なくなる、と。

これはしょうがないかなーと思います。

ロッキング・オン側も、このフェスの構想自体は何年も前からしていたかもしれません。
それがロック・イン・ジャパンというフェスが10年を超えて、
「今ならいける!」と確信したんじゃないでしょうか。
(ここは邪推です)

(邦楽)フェス文化もより浸透してきて、
お客さんも“また新しい何か”を求めるようになってきて、
さらに“ライブの価値”が浮かび上がるようにクローズアップされている、
そんな2010年に行うことこそ意義がある、と考えてるように思います。

■堅い話はこのへんにして…

まあ、堅っ苦しい口調でここまで書いてきたけれど、
とにかく楽しみです!!

初めてのジャム・セッション形式のフェス、
そのトップバッターがいっちゃん(LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS)ってのもねー!!

いっちゃんなんて、ジャム形式にまさにうってつけじゃないですか!
鉄板ですよ、