毎年、ACLの日本勢のゲームはほぼ全て観てます。
今年(2015年)はグループステージ2試合が終わって、ガンバ、浦和、鹿島、柏の日本勢は1勝1分6敗っていう惨憺たる結果。
しかも「1勝」っていうのは、だいぶ力が劣るベトナムのビン・ズオン相手に柏がホームで挙げた勝利のみ。
こんな成績の時点で全8試合の感想を書いておこうっていうのもずいぶんMですが、まあ3節まで少し間が空くので、ちょっと書いておきます。
試合を見ながらツイートしてた自分の雑感をもとに。
第1節 全北現代 0-0 柏
前半は、DFラインがきちんと引かれていて、それを副審がしっかりオフサイド取ってくれたのもあり、よく凌いだ感じ。
(意図してオフサイドトラップをかけたものではない、って選手たちが試合後に語っていたけど)
右サイドのFKから逸らされてCBチョ・ソンファンのヘッド、これもギリギリオフサイドだけど危ない。二回とも完全に競り負けてるからなー。
— いぬたく(サッカー用) (@inu_foot) February 24, 2015
前半終了、全北現代 0-0 柏。 特に25分頃までは柏のプレスはハマらないわ、全北のプレスはバッチリだわで、ネルシーニョ時代にはあり得なさそうな展開。柏は流れの中ではシュート0本だけど、ひとまずよく凌ぎ切ったかな。全北も体力的に後半はよりペースダウンするとは思うけど。
— いぬたく(サッカー用) (@inu_foot) February 24, 2015
鈴木大輔はやはりアジアレベルでも頼りになる一方で、輪湖の自陣ゴール前での対応はヒヤヒヤするわ。
— いぬたく(サッカー用) (@inu_foot) February 24, 2015
試合終了、全北現代 0-0 柏。 アウェーで内容的には負けゲームの中で勝ち点1をよくもぎ取った形。全北もやっぱり後半はペースが落ちていたけれど。柏は菅野から鈴木&増嶋、大谷&栗澤と、守備の屋台骨がそのままACL経験が豊富ってこともとてもデカいだろうな。
— いぬたく(サッカー用) (@inu_foot) February 24, 2015
吉田達磨監督が、理想論に走り過ぎないサッカーもできる、する意識がある、っていうことが分かったゲーム。
チェ・ガンヒ監督は試合後の会見で「まるで負けたような感じだ。序盤に決めるべきところで決められなかったのが原因。柏の3バックはメンバー表を見て初めて知った」と嘆いていた。
第1節 ガンバ大阪 0-2 広州富力
中盤で阿部が失ったボールをモロッコ代表のハムダラが決めてガンバ失点。岩下の対応も数的には有利だったわけだからPA内に簡単に進入させすぎとも思ったな。
— いぬたく(サッカー用) (@inu_foot) February 25, 2015
前半終了、ガンバ 0-1 広州富力。 宇佐美とパトリックを中心にした攻撃は相手の守備を十分に上回れてるだけにミスからの失点もったいない。ただ広州富力も攻撃面ではけっこうタレント揃ってるねえ。
— いぬたく(サッカー用) (@inu_foot) February 25, 2015
後半から小椋に代えて倉田。小椋は彼なりの良さを出したシーンもあったけど、ただあそこが今野じゃないのは戦力ダウンと感じてしまうのは確かだな。
— いぬたく(サッカー用) (@inu_foot) February 25, 2015
広州富力、カウンターでハムダラの突破からゴール前で得たFK、壁(パトリックの頭)に当たって追加点。
— いぬたく(サッカー用) (@inu_foot) February 25, 2015
試合終了、ガンバ 0-2 広州富力。 パトリックと宇佐美以外は、今シーズン最初の公式戦ってことを差し引いても低調でミスの多いゲーム。広州富力も思ってたよりちゃんとしたチームだけど、この相手にホームで負けるのキツいな…。
— いぬたく(サッカー用) (@inu_foot) February 25, 2015
ガンバは、Jクラブであれどこが相手であれ、先制されるとキツいなあ…。
以下は1失点目の岩下の対応についての指摘。
昨日のガンバの1失点目はディレイという次元じゃなかったけど。圧倒的数的有利だったので。1点目も2点目も、潰しに行くチャンスと時間がありながら、ズルズルとゴール前まで侵入されてしまった。
— 下薗昌記 (@Brazileaks) February 25, 2015
日本人の特性を考えれば技術を生かしたパスサッカーという方向性は正しいとは思うけど、特にFWとDFに必要なのは「やるか、やられるか」という気概。昨日のハメアドラーなんて、5人に囲まれながらもサポートを待つ気配もなく、数的不利を自らなんとかしてやろうという意図が明らかに伝わってきた
— 下薗昌記 (@Brazileaks) February 25, 2015
第1節 鹿島 1-3 ウェスタン・シドニー
昌子&植田はここまでユリッチとの戦いに勝ててないなー。シドニーはそこが一番のストロングポイントになってる。
— いぬたく(サッカー用) (@inu_foot) February 25, 2015
ユリッチvs昌子&植田のところは、そのまんま今後10年間ぐらいのオーストラリアvs日本の局所バトルにもなり得るし、昌子&植田には頑張ってほしいわー。
本山を投入して同点に追いついたところは、期待したんだけど。
鹿島はここまでも小笠原と柴崎のところでは比較的ボールを持てていたけど、土居の間をCBとボランチに挟まれていたことで、その周りでしかサッカーができていなかったところで本山が入り、シャドーの動きで引っ掻き回したのでWSWの守備が一時的に崩壊した。
— 河治良幸 (@y_kawaji) February 25, 2015
右は1対1になりやすかったので、こっちにカイオが回ったのも効果的でした。土居も比較的プレッシャーが弱いところからバイタルに入って行けるので、今日に限ってはワイドの方がいいですね。
— 河治良幸 (@y_kawaji) February 25, 2015
鹿島この試合は勝っておきたい、勝てる試合。
— いぬたく(サッカー用) (@inu_foot) February 25, 2015
うーん、高萩のオフサイドないか。いずれにせよ植田の対応がお粗末すぎる。
— いぬたく(サッカー用) (@inu_foot) February 25, 2015
昌子のオウンゴールはまだ「しょうがないかな…」と思うけれど、植田は全体的に不安定すぎたな…。
実際、次のゲームからファン・ソッコにスタメンを奪われてしまった。
鹿島強化部長「負ける相手じゃなかった。センターバックのミスが多すぎ。去年から試合に出てるんだから、若いとか言い訳にならない。力負けしてないのに、取り切れない、守り切れない。日本のチームはどこもそう」 http://t.co/CML18XRoUL
— いぬたく(サッカー用) (@inu_foot) February 26, 2015
ただこういうコメントを強化部長(鈴木さん)が発せられるっていうのは、良い意味で鹿島だなと感じる。
第1節 水原三星 2-1 浦和レッズ
この試合は、鹿島vsWシドニー戦の裏で観てたので、フルでは観てません。
ただ、この勝ち越し点での森脇のマークはひどかったな…。
セットプレーから水原が勝ち越し。ていうか森脇全くボール見てないw
— いぬたく(サッカー用) (@inu_foot) February 25, 2015
この後のゼロックスでも宇佐美に「森脇はボールウォッチャーになるってスカウティングがあったので」って言われる始末…。
第2節 城南FC 2-0 ガンバ大阪
ガンバは宇佐美ベンチって思い切ったターンオーバーだな。
— いぬたく(サッカー用) (@inu_foot) March 4, 2015
小椋そりゃPKとられるよ。迂闊すぎる。
— いぬたく(サッカー用) (@inu_foot) March 4, 2015
前半終了、城南 1-0 ガンバ。 長谷川監督は宇佐美ベンチで0-0のままカウンター狙いつつ後半勝負ってプランだったんじゃないかと思うんだけど、PK取られた小椋のプレーが軽率すぎる。城南の攻撃も他と比べてそこまで強力じゃないだけに、余計もったいない。
— いぬたく(サッカー用) (@inu_foot) March 4, 2015
このまま追加点取られて終了なんだけど、初戦と同様に、先制点取られたらとにかくキツいチームなのに、小椋のあの抱きかかえは、ないわー。
ガンバに関しては日本勢4チームの中で最もコンディションに難があるようには見える。
その上でこの試合は(ターンオーバーなのか?)宇佐美をベンチスタートで、ゼロックスでも赤嶺&宇佐美(パトリックがベンチ)でスタートさせてたし、長谷川監督の中で「まだ仕上げていく状態、連携の経験を積ませる段階」っていう意識があるのかな…。
第2節 柏レイソル 5-1 ビン・ズオン
この試合だけは楽しく観られました(笑)。
柏はWGのポジションを大外に張らせる本来の形でこの試合に入ったけれど、ビン・ズオンの左サイド、レ・コン・ビンの所に明確な守備の穴があり、そこを突いているだけで攻めになるので無理攻めする必要が一切ない。本当ならインサイドを裏に走らせる形があるんだけど、それを出すまでもない前半。超楽
— 羊 (@GP_02A) March 3, 2015
ビンズオンはアフリカン2トップの他にもレ・コンビン、トロン・ホアン、モーゼスの中盤もそれぞれ攻撃面で長所があって面白いチームだなとは思ったけど、守備はザルだし、チームとしてもハードワークする感じでもないので、ACLではかなり与し易い相手だな。
— いぬたく(サッカー用) (@inu_foot) March 4, 2015
ビン・ズオンは、5~6年前ぐらいまでの「安心して勝利が見込めるチーム」っていう、ちょっと懐かしい感覚に陥った。
ただ特に攻撃面では特徴のあるタレントが揃っているし、先制されて調子に乗られると厳しい試合にはなりそうっていうのは、ACLに出るぐらいのチームはどこも変わらない。
レ・コンビンも、やっぱりボール持った時のキックとシュートの精度はしっかりしてて、さすがベトナムの英雄とされるだけあるなーと改めて思った(守備に難がありすぎるけど)。
第2節 浦和レッズ 0-1 ブリスベン・ロアー
浦和はホームに戻ってきて立ち上がり、前から行ってるなと思ったら、西川がニアを破られて失点。
西川は後半はMVP級の活躍でチームを救っていただけに、このポジショニングミスはもったいない…。
浦和vsブリスベン、15分過ぎまで観て、顔ぶれは豪華な浦和攻撃陣の中でもやっぱり興梠だけは必要不可欠なピースだなと思うわ。
— いぬたく(サッカー用) (@inu_foot) March 4, 2015
興梠はすごいねー。
それに比べてズラタンは特に1トップ時に求められてる役割がちょっと不明瞭。
同じ役割だとしたら、現時点では明らかに興梠>ズラタン。
ターンオーバーってチームとしてのルールや決め事があるのが前提で選手を入れ替えるものだけど、前半の浦和の3-4-1-2や加賀のウィングバックっていう手はターンオーバーとは言えないと思う。
— いぬたく(サッカー用) (@inu_foot) March 4, 2015
レポーターが言ってたけど、前半終わってペトロヴィッチが興梠に「どうだ?」って訊いたら「1トップの方がいいと思う」って返事→後半から1トップに、ってほんとなんだろうか。
— いぬたく(サッカー用) (@inu_foot) March 4, 2015
ここはペトロヴィッチ監督が「私自身が今日の前半のスタートにミスをした」と認めてるところかな。
ミシャ監督 ACLブリスベン・ロアー戦後会見|URAWA RED DIAMONDS OFFICIAL WEBSITE
那須そりゃ赤だわ…。
— いぬたく(サッカー用) (@inu_foot) March 4, 2015
いやーピンチを切り抜けた直後にGK西川がいいパントを出したのに、なんで敵陣に3人だけで中盤が押し上げなかったのか・・・ピッチ上で感じる独特のプレッシャーというのはあると思いますが、ここという機を逃しちゃダメでしょ。
— 河治良幸 (@y_kawaji) March 4, 2015
西川は後半はMVP級の活躍で浦和を助けてただけに、よりいっそう失点シーンのポジショニングミスが悔やまれるわ。
— いぬたく(サッカー用) (@inu_foot) March 4, 2015
浦和も連敗か…。浦和は能力も経験もある選手が多いのに試合中に「それだけは絶対にやっちゃいけない」っていうミスが出ちゃうのってなんなんだろうな…。
— いぬたく(サッカー用) (@inu_foot) March 4, 2015
ブリスベン戦の敗因は、試合運びの拙さに尽きる。やってはいけないことを、やってはいけないときにやってしまう、ということだ。
熊崎敬【蹴球日本を考える】「やってはいけないこと」をやってしまった浦和の敗北 (SOCCER DIGEST Web) – Yahoo!ニュース
第2節 FCソウル 0-1 鹿島
チェ・ヨンス監督のFCソウルは、ホームではあっても前半は我慢して0-0→後半勝負、っていう明確なプラン。
初戦で脅威になっていたカイオは、「縦だけ切れ」っていう監督のシンプルな指示を守ったチャ・ドゥリによって、カットイン→クロスしかさせてもらえなかった(で、キックの精度はイマイチなこともバレてた)。
ただ、立ち上がりからガンガン来られるよりもJクラブには好都合な気もするけれど、鹿島は前半に決め切れず(遠藤のポストとか)、後半にセットプレーから失点。
その後もカウンター(カウンター食らう時点でFCソウルもそこまで完成度高いチームではない)から柴崎→カイオを決められず。
鹿島は死のグループと言われながらも、ウェスタン・シドニーとFCソウル、どちらも勝てる相手だったのに落としているのが、ガンバと浦和に比べると敗戦の内容は違うかなと思う。
でも次はおそらくグループ内でも最強の広州恒大との連戦…。
だからこの2試合は勝たなきゃいけなかったし、そのためにキャンプ始動も早めたんだと思うんだけど…。
個別の選手に関して言うと、高崎は頑張っているけど、中国と韓国の屈強なCBと戦うにはあと一歩。
遠藤のコンディションがイマイチなのが攻撃面、特に最後のフィニッシュのところではキツい。
ただやっぱり小笠原みたいに中盤でガツガツやれる選手って、ACLではほんとにデカいなーと思います。
同様の匂いは、山本脩斗からも感じる。
まとめ
ACL日本勢の状況を全部まとめて話すのはちょっと違うと思っていてそれぞれ別々の原因があったと思ってるんですけど、乱暴にまとめるなら「自分たちがやりたいサッカーやってうまくいけば勝つし、念入りに対策を準備されると修正できずに負ける」というのは共通してる気がする。
— リベロの河童 (@55ft) March 5, 2015
このツイートにあるように、4クラブそれぞれで敗戦の内容・原因は違うと思う。
戦績的にも順調な柏は、強豪の全北現代を相手にした初戦で、現実的な戦いをして守り切れたこと、特に中央の菅野&鈴木&増嶋にACLの経験があったのがデカいのかなと(2戦目はエドゥアルドだったけど)。
鹿島は、浦和とガンバとは違って、相手の力量を考えたら勝てる試合を(自分たちのミスもあり)どちらも落としているっていう、もったいないという印象。
浦和は、「やっちゃいけない」ことをやっちゃうってところが、チームとしてのひ弱さを感じてしまう。
上でも書いたけど、Jクラブの中では能力も経験もある選手たちなのに、なんでなのかな…。
“ビトーリア”ネルシーニョを呼べばいいのか(笑)。
ガンバは、そもそもどちらも先制された試合だからガンバの良さも出にくいんだけれど、あの展開だと4チームの中でも最も希望が見い出しづらい。
ゼロックスのように0-0で後半勝負とか、そのプランを完遂できないってところは、まだ長谷川監督のやり方がアジアレベルでは耐久できない、ってことなのかな。
まあACLで日本勢勝てない…っていう嘆きはグループリーグ6試合終わってから言うようにします。
— いぬたく(サッカー用) (@inu_foot) February 25, 2015