TOKYO FM主催のLive Dragon Vlo.6、BIGMAMAとTHEラブ人間の対バンに行ってきました。

協賛がついているとはいえ、(けっこう名前のある)この2バンドでチケット代1,500円って安すぎる。
2,000円でもソールドアウトしたんじゃないかなーと思ってしまう。
その分、少しでもバンドにあげてほしい。

会場も渋谷WWWより大きなハコでもいけそうだけど、ラジオとUSTREAM生中継のためにはここが適してたのかな。

まあともかく、僕が好きな2バンドってことでとても楽しみにしていたんだ。
以下、雑感。

bigmama_shibuyawww


整理番号20番台の力を発揮して、早めに入場。
ステージを観たらラブ人間からみたいだったし、フロントエリアもはしゃぐにはちょっと狭いかなと思ったので、一段上の手すりにポジション取り。

渋谷WWWって初めて行ったんだけど、元は映画館なだけあって段差がすごく見やすいねえ。
特に段差が高めにつくられていて、そこに立つとアーティストがかなり近くで目の高さに観られるのがすごくいい。
(元の映画館・シネマライズの地下も色んな思い出があるだけに若干の寂しさは感じるものの)

この日は特にBIGMAMA金井政人くんをちゃんと観たいと思っていたので、そのポジションにしたのもある。

開演前のわたしのツイート。

THEラブ人間

最初に印象的だったのは、5人が入場してからのシーン。

まだオープニングSEが鳴っていて、バンドメンバーからしてみたら一瞬だけ手持ち無沙汰な瞬間。
前列の4人のうち、谷崎(バイオリン)、おかもと(ベース)、ツネ(キーボード)はペットボトルに手を伸ばして水を飲んでた。
(ドラムの服部はよく見えなかった)
でも前列の中で金田康平だけ水に手を伸ばさずにギターを触っていたんですよ。
それを見て、「ああ、金田くんってやっぱり芯の太い人間なんだな」と強く感じた。

やった曲はこんな感じ。

THEラブ人間セットリスト Live Dragon Vol.6 2012.1.19 @渋谷WWW
東京

これはもう青春じゃないか
レイプ・ミー
大人と子供(初夏のテーマ)
砂男

–鬱々→ポジティブ–

ラブ人間って東京で生まれ育った若者の心情・生活を飾らずに歌っているところにすごく共感する。
僕もまさに東京で生まれ育った奴なので。

歌ってる内容の中には、鬱々としたもの・屈折したものもゴロッと転がっている。
ただ、ライブではその屈折感があまり出ないのがおもしろい。

鬱々としたものが、ポジティブな方向に転化する。
その不思議な転化がラブ人間のライブの面白さであり、魅力なんだと思う。

–はっぴいえんど〜サニーデイ・サービスの系譜–

金田康平はARABAKIで初めて観た時からしっかりしたボーカルだなあという印象。
そして何より、ベースのおかもとえみとキーボードのツネ・モリサワの笑顔がいい。
楽しそうに演奏してるのって、兎にも角にも正義。

そうそう、この日のライブで初めて、
「ああ、THEラブ人間って、はっぴいえんど〜サニーデイ・サービスの系譜上に位置するバンドなのかな」
と感じた。

それを感じる要素は、(難しいことはしてないけどスキップするような)ベースのフレーズとコーラスが大きいんだろう。
懐かしさを感じるポイントはそこ(おかもとえみさん)なんだな。

–金田康平のMC–

上で「しっかりしたボーカル」って書いたけれど、そこには「自分の言葉でちゃんと話せる」って意味も含まれてます。
Twitterでのやり取りも以前からしっかりしてるなあと感じていたし、何よりライブのMCがよい。

まあ、この日はこれまで観た中ではちょっと話が取っ散らかってるとは思ったのだけど(笑)、言いたいことは僕にはちゃんと伝わった。

Twitterで「ラブ人間」で検索してたら、「BIGMAMAのために行くけどラブ人間興味ない」って書いてる奴がいて、これは笑いごとじゃなくてジャンルとかどうでもいいんだよ、そういうこと書くの(言うの)止めようよ、ミュージックラバーのみなさん。

今日のこのライブはこの後BIGMAMAがやって終わりじゃない。みなさんはその後もこっち側(ライブハウス)が一番めちゃくちゃ楽しいんだって周りの人に伝えてください。

僕もライブ後にTwitterで感想を見てたら、一つ目の話は「言論の自由を奪うのはどうかと思う」っていう間違った解釈をしてる人もいて「大変だなあ…」と思ったり。
でも確かにいつもよりも話が整理されてなかったかな…(そこで誤解を生ませちゃったのかと)。

ラストは「砂男」。
2011年は震災とこの歌詞「こんなことにもならなきゃ気づかない馬鹿たれなんです。」とをかけたMCをよくやっていたけれど、この日はそういう内容は無し。
2012年、THEラブ人間としての新しいスタートを感じさせた。

これからも観ていきたいバンドです。

BIGMANA

入場シーン。
BIGMAMAの5人が醸し出している“オーラ”と言うか“空気感”って、「決意」という言葉が近いと思う。
「高揚」でも「自意識」でも「内省」でも「緊張」でもなく、「決意」なんだよなあ。

たまたま上でラブ人間の3人が水を口にした話をしたけれど、BIGMAMAの5人はステージ上でじっとしてたなあ。
すごく細かい話だけれど、こんな小さい所作からでも伝わることってある。

BIGMAMATHEラブ人間セットリスト Live Dragon Vol.6 2012.1.19 @渋谷WWW
荒狂曲”シンセカイ”
the cookie crumbies
Paper-craft
kakurenbo
アリギリス
#DIV/0!
秘密
until the blouse is buttoned up
(encore)
I Don’t Need a Time Machine

1曲目の「シンセカイ」から、いやまあ盛り上がっていた。
「the cookie crumbies」「Paper-craft」「kakurenbo」と盛り上がり必至な定番曲の流れ。

「cookie crumbies」のイントロ歌い出しからのお客さんの高揚感っていつも素晴らしい。
その高揚感が生まれてからの、柿沼くんのギターが大胆に入ってくる箇所のかっこよさ。

–ギターなのね、ギター–

話が逸れるけど、最近改めてBIGMAMAを聴き直して「ああ、ギターバンドなんだなあ」ということを感じたんです。
世間的・メディア的にはバイオリンの要素や「Roclassic」で見せてるようなクラシックへの志向性が差別化因子として取り上げられがちで、それも分かりやすい取っ掛かりだとは思うのだけど。
でも根は「ギターバンド」、より正確に言えば「ギターの大胆なフレーズをかっこよく聴かせたい」というバンドなんだなあ。
それが表れてる曲として「Baseball prayer」とか、例を挙げればたくさんあるんだなあと改めて気づきました。

「Paper-craft」ではイントロから照明が細かく点滅してシルエットが浮かぶやつ。
(あの照明のやり方って何ていう名前なのかしら?)

あれ、僕は目がチカチカするから基本的に好きじゃないんだけど、この曲には合ってると思った。
イントロから(これもまた同じ話だけど)ギターが大胆に入ってくるところ、この照明のかっこよさとスケールがピッタリだわ。

「the cookie crumbies」「Paper-craft」って何度聴いても色あせない曲だねえ。
どうやったらこういう曲ができるんだろう、と思ってしまう。

–4枚目のフルアルバム、おめでとう–

「kakurenbo」の後に金井くんが「この後は来週リリースのアルバムの曲をやります」と言って、まずは「アリギリス」。
(後になってTwitter経由で曲名を見て「あ、あれがインタビューで話したりしてたアリギリスだったのね」と知った)

安井英人くんのスラップなベースが印象的。
なんか聴いたことあるかもと思ったら「”MISSION 481″」の間奏でも同じようにスラップに弾いてるよね。

「#DIV/0!」「秘密」とシングル曲。
最後は「until the blouse is buttoned up」。
年末にCDJのギャラクシーで初めて聴いて以来。
(BIGMAMAも2012年初めてのライブって言ってたから歌うのもその時以来だったのかな)

ギャラクシーという大きなステージと違って、この日の渋谷WWWだと金井くんの声が隅々まで届いている感がとってもよかった。
やっぱりステージの大きさだとか、ちょっと抽象的に言えば“格”や“スケール”ってすごく関係するよねえ。
BIGMAMAももっともっと大きくなっていってほしいバンド(って観てる度に言ってる気がする)。

アンコールでは「I Don’t Need a Time Machine」。
金井くんは「もうラジオとか終わったから、何でもしゃべっていいんだよね。かといってしゃべることも特にないんだけど(笑)」と少しリラックスした様子。

アンコールの高揚の中で、Aメロ・Bメロを丸ごとお客さんに歌わせるのもホーム感が出ていてよかったなあ。

最後、金井くんが黒いギターにキスしたところを見逃さなかったよ。
それも含めて、今日のライブで思ったことのツイート。

–金井政人になぜ前髪があるのか–

これ、今回のライブですっごく考えていたんですよ。
前から気になってたことではあるんだけれど、今回はステージ上のメンバーの目線とほぼ同じ目線で観られてから、ってのもあると思う。

結論から言うと、前髪越しに歌う金井くんって、俺やっぱり好きだなーっていう話なんですけれど。

まずなんで前髪が気になるかっていうと、前髪のある・前髪が長いボーカルってたいてい内省的なパーソナリティじゃないでしょうか。
ライブ中に前髪が目に垂れてきて、それでもかき上げたり気にしたりすることなく歌ってる、ちょっと下を向きながら、みたいな。

でも、金井くんは曲とライブからすごくオープンな一面も感じるので、僕の中では前髪があることにちょっと違和感もあったんです。
そもそも、歌手にとって、「伝える」「届ける」ために自分の目を見せることってけっこう大切な要素ですよね。

BIGMAMAのライブは基本的に楽しいライブなんだけれど、ステージ上でその楽しさを最も具体的に作り上げてきたのってたぶん東出真緒さんなんじゃないかと推測してます。
少なくとも金井くんは(僕が観る限り)ほとんど手拍子を促しもしないし、曲以外の部分で煽るようなこともしない。

そういう、「前髪越しにただ歌うことを全うしているボーカル」と「バンドとしてのポジティブなオーラ」のコントラストにすごく興味があったんですよ。

で、その答えはたぶん「金井くんはそもそも人に多くを期待してない人・どこか醒めたり根暗な人でもあるけれど、同時にすごくいい奴でもある」っていう点に帰着するんだと思った。
つまり、上で書いたボーカルとバンドのコントラストこそ、金井くん自身なんだろうなあ、と。

曲の中で歌うことに集中する、それ以外の煽りは特にしない、目や表情がお客さんとよく見えなくても曲でつながっていると信じている…。
そういう「内省的だけど実はオープンで芯の強いポジティブ」っていうバランスがとても面白いし、わたし好み。

ポジティブなことを歌うにしても、その前にどれぐらいネガティブな土壌があるかで表現って確実に違ってくるわけだけれど、金井くんのそのネガティブな土壌から漂ってくる匂いが、僕は好きなんだと思う。
(金井くんのことそこまで知ってるわけじゃないから、あくまで“匂い”です)

「内省的だけど実はオープンで芯の強いポジティブ」ってさっき自分で書いてて思ったけど、それってまさに自分とすごく似てるんですよ。
だから金井政人くんやBIGMAMAに惹かれるのだと思う。

そんなことを改めて感じた渋谷WWWでした。