2015年日本シリーズ「ソフトバンクvsヤクルト」感想(ヤクルト目線)

シーズン全球を観るのは数年前にやめてしまったけど、やっぱりヤクルトは好きなので、CSから14年ぶりの日本シリーズ、楽しませてもらいました。

全5試合(ってのが切ないけど)、リアルタイムで全て観ていたので、せっかくだから感想を書いておきます。

まあ、2015年日本シリーズのうち80%は負け試合なので(笑)、評しようとするとどうしても厳しい話になりがちなんですが、でも楽しかったですよ、ほんと。

日本シリーズっていいですね。

そのまま戦ってそのまま負けた。無念。

巨人とのCSを制して日本シリーズ進出が決まった時に書いた記事はこちら。

1992年93年を思い出すヤクルトの日本シリーズ進出(嬉しい) | いぬと海

ここで書いたのが、常勝西武と戦った1992年の日本シリーズとシチュエーションがとても似てるな、ということ。

1992年も、2位に大差をつけて早々と3年連続の優勝を決めた西武に対して、ヤクルトは4球団が優勝を争う大混戦をシリーズ開幕の1週間前に制しての優勝、っていう今年にめっちゃ似た展開。

もしかしたらチームとしての経験値は、今のソフトバンクよりも当時の西武の方が上だったかもしれないですが。

ちなみに当時のヤクルトは、池山隆寛が26歳、広澤(当時は広沢)克実が30歳、古田敦也が27歳。

1992年の日本シリーズも、戦力、経験値ともに西武とは大差があるっていう前評判でしたが、高卒ルーキーの石井一久を第3戦に先発させるだとか野村監督が揺さぶりまくったことで3勝4敗まで持ち込んだ、と思ってます。

ただ、今シーズンをちゃんと観てるわけではないんですが、真中監督はそういうタイプではなく(というかむしろ野村監督がレアキャラなんですが)、実際にこの日本シリーズも比較的オーソドックスに戦い、そして力の差のままに負けた、と。

まあでも真中監督を非難するつもりは全くないです。

そもそも選手がしっかり投げて打って守らないと始まらないし、1992年にしても当時2年目(!)だった岡林洋一が1、4、7戦ですげえ投球をしてくれたから、あそこまで戦えたわけだし(今回は先発が総崩れですからね……)。

ほんと、ソフトバンクは強いですわ。

畠山は素晴らしかった

今これを書いているときに敢闘選手賞は山田に決まったと知りましたが、僕は畠山がよかったと思いますよ。

最終的に.222で終わるようなバッティングじゃなかったですし、山田よりずっと内容がよかったです。

畠山は僕がシーズン全球を観ていた頃からスラッガー候補の高卒ルーキーとして期待されてた選手だけに、この大舞台で立派に4番を果たしてくれているのは、とても感慨深かったです。

4戦目5回の摂津のストレート、5戦目8回のバリオスのストレートは投げた方を褒めるべき球でしたし、松田のファインプレー含め芯で捉えながらサードライナーになったことも二度。

逆に言えば、特に4戦目と5戦目の勝負どころで山田と畠山に摂津やスタンリッジが見せたような集中力と投球を、ヤクルトの先発陣は李大浩を中心としたソフトバンクに対してできなかった、ってことですよね。

ていうかヤクルト的にはとにかくランナーを溜めて山田と畠山で勝負、ってぐらいしか得点の気配がしないのに、ソフトバンクはまさにどこからでも点が取れてズルいよ、って思ってました(笑)。

このソフトバンクに勝てるチーム、という目標ができただけでも大きなこと

全体的には僕も、そしてきっとヤクルトというチーム的にも、いい思いと経験をさせてもらった、という感じでした。

1992年の翌年、1993年の日本シリーズで西武にリベンジして常勝西武を止めたときのように、来シーズンの高い目標ができたことが何よりですよ。

その目標を実体験として持てるチームは、セ・リーグで1チームしかないんですから。

あと、山田哲人は、もうちょっと体の強さと特に肩を鍛えないとメジャーでは通用しなさそうなタイプだから、今後10年ぐらいヤクルトの顔として引っ張ってくれないかな(笑)。

そんな山田が初めて日本シリーズに出て、一瞬だけどまばゆいばかりの輝きを放った今年の日本シリーズのことを、後になって懐かしく振り返れるといいな、と思います。

いやー、しかし野球でこんなに楽しい思いをすると、またちゃんと観たくなっちゃうなー。