恵比寿リキッドルーム、VALENTINE ROCK —-愛のロックを鳴らそう VOL.5ってイベントに行ってきましたよ。
好きなアーティスト、興味のあるアーティストが揃っていて行くことにしました。


リキッドルームに着いたら、タイムテーブルが貼られてた。
「終わるの22:15か、けっこう遅いな…」と思ってしまったのは正直なところ。

ところでこの日はおしゃれ女子&男子の比率がめっちゃ高くてびっくりしたよ。
アコースティックってこともあるのかな。
ライブハウスの中、そのまんま代官山の街並みと言っても過言ではなかった。

開場18時・開演18時ってどういうことだろうと思ったら、
鹿野さんが18時からDJやってるってことだったのね。

入口でもらったみかんを食べながら、左後方の段差のあるところで待機。
(みかん美味かった)

KUDANZ

初見でした。
前にYouTubeで聴いたことがある程度の事前知識。
初見ならアコースティックではなく本来の形で観たかったな、とも思う。

こういう高音の男子ボーカルって流行ってるんだなあ。
この日のメンツでも、クリープハイプ・plentyにも共通する点。

それ以外はあまり印象に残らなかった。
やっぱりアコースティックって難しいんじゃないのかなあ。
アレンジがとても凡庸に聞こえてしまった。

アクト後に鹿野さんが「KUDANZ、よかったでしょ!ね!」みたいなことを言ってたけど、
主催側がそういうこと言うと醒めるよねえ…。
そこは言わない方がいいと思う。
アクト前(登場前)に煽るのはまったくアリだと思うんだけどねえ…。

クリープハイプ

クリープハイプのアコースティックってどんなんだろう…、
と不安半分・期待半分で楽しみにしてた。

1曲目は尾崎世界観が一人で出てきて弾き語り。
これはキツかったな…。
僕は音楽は比較的なんでも聴ける方だとは思うんだけど、
弾き語りだとあの歌い方(語尾の感じだとか)が鼻について「これは聴けん…」と感じてしまった。

あの歌声はギターをかき鳴らしてるバンドの音の中にあるからいいんであって、
僕は弾き語りで聴きたいとは感じないなあ…。

2曲目からはバンドメンバーも出てきて、
途中からは「これ、アコースティックか…?」という流れに。
バリバリにエレキギター鳴らしているし。

そしたらもちろん本人たちもすごく自覚しているようで、
MCでイベント出演の経緯や鹿野さんとの会話のことを話してた。

最初オファーを聞いた時は「え、アコースティック?」と驚いて、
それだと自分たちを表現できないと伝えようとした、と。

ただ鹿野さんと会って「アコースティック、やります!」とか言っちゃったんだけど、
思いのほか鹿野さんがこっち(クリープハイプ)寄りで(笑)、
「最初は弾き語りでやって徐々にバンドにしちゃえばいいから」
と言われた、と。

そのMCを聞いて、そりゃ確かにクリープハイプはそっちが合うでしょうよと思ったんだけど、
同時にイベントとしては微妙だな…と感じてしまったよ。

5アーティスト呼んだ時の予算や呼べる人の制限はあろうだろうけど、
アコースティックと銘打ってるならちゃんとアコースティックって筋を通してほしいわ。
「途中からはバンド形式でもOKだから」って主催側が認めちゃったら、
情報を受ける側・ライブを観る側は主催側の何を信じたらいいんでしょう。

で、アコースティックなアクトを取り込みたいのなら、
アコースティックをちゃんとやりたいと思ってるアーティストに声をかけてほしい。
(上で書いたようにいろんな制約はあるだろうけど)

そんなようなことをまとめてツイートしたのがこちら。

KUDANZとクリープハイプのアコースティックを聴いていて、
僕が大好きなACIDMANのことを思わずにはいられなかった。

やっぱりあれだけアコースティックにも注力して、
彼らに相応しいクオリティの作品・ライブを作り出すのって、
並外れた集中力・努力、そして才能の結晶なんだなあ、と。
(だから本業と違うことってそう簡単にはできないし、やっちゃいけない)

アナログフィッシュ

その点、次に出てくるアナログフィッシュには何の不安要素も感じてなかった。
むしろ「早くアナログフィッシュ出てきてくれ!」
(申し訳ないんだけど)「真っ当なアコースティックを見せてくれ!」と思ってた。

そんなアナログフィッシュ、やっぱりよかった。
(この日はサポートギタリストとしてEGさんが加わって4人体制)

バレンタインらしい、愛に溢れたセットリスト。

1.オルタナティブガールフレンド
2.ガールフレンド
3.Hybrid
4.抱きしめて
5.僕ったら

佐々木さんがバレンタインではなくクリスマスって言い間違えたの、
最初はネタかと思ったら本気で間違えたのね…(笑)

僕は特に「Hybrid」という曲が大好きで、この日にやってくれて嬉しかったなあ。
下岡さんが「最高のラブソングだと思ってます」みたいなことを言っていて、
ほんとそうだわ、と。

短すぎると感じた時間だけれど、浸りました。
アコースティックだろうが問題なくやってくれる、
バンドとしての実力、“地力(じじから)”みたいなものも改めて感じたバレンタインデー。

plenty

何度かライブも観ていて音源も聴くものの、あまりハマらないplenty。

でもライブでの音楽としては、この日が一番鮮明に聞こえたなあ。
なんでだろう、理由がよく分からない。
江沼くんの声がよく出ていたからかな。

江沼くんはこの日のMCでも口ごもったりしどろもどろしていて、
たぶんそこの幼すぎる感じが僕にはハマらないんだろうなあ。
(逆に言えばハマる人はそこにハマるのかな)

ライブをやるんだったら、音楽をやるんだったら、
MC(人間性)も含めてそこに決意や覚悟が滲み出てる人の方が好き。

星野源

ご本人も言ってたけど、
一曲一曲が短いのが、いい。
単純なことだけど、これってすごく大切なことなんじゃないかと思う。

一人の弾き語りって、超絶ギターテクやすごい声でもない限り、
どうしても「4分~5分の曲に飽きてしまう」って起こり得ると思うんだけど、
それを軽く回避できてる。

MCで話す星野源は場の空気を感覚的に捉えることがすごく得意な人だなという印象で、
ああこれはやっぱり役者やディレクターに向いているんだなあ、と。

ところどころに垣間見える(本人が明言してた部分もあったけど)性格の悪さも、
僕にはとても魅力的。
やっぱりいろんなものが見えてる人って性格悪くなっちゃうんだと思う。

それがちゃんと曲にも表れているから、
星野源ってアーティストは一筋縄ではいかないんだなあと思った。

かと思えば、「老夫婦」という曲で温かくもしんみりとさせられたり。
この日に聴いてから「老夫婦」は大好きな曲になった。
前から「ばかのうた」で聴いていたはずなのに。
やっぱりライブでちゃんと聴くと違う響き方をするってことなのかな。

アンコールでは「11人もいる!」の家族の歌をやってくれたあと、
お客さんから「くだらないの中に!」という声が。

ちょっと聞き取りにくくて星野源が「◎×\$’&△?何て言った??」と言ってたら、
鹿野さんが「『くだらないの中に』をリクエストしてくれたんだよ」って横からナイスフォロー。
鹿野さんはplentyの途中でも体調悪くなった(?)女の子にすっ飛んでフォローしてたけど、
そういう「現場力」はさすがだなあと思った。

それで「くだらないの中に」で〆。

これは星野源を観たあとのツイート。
この日で言えば、星野源とアナログフィッシュの下岡晃はすごく「友達になれそう」と感じる人。
(繰り返しますが、相手がどうなのかはおいておきながら言ってますよ)

それにしても、終わったら23:15。
平日の夜のライブで(途中外出も禁止されて)この時間はさすがに遅いわー。

アナログフィッシュと星野源が特に鮮烈だった、バレンタインデーの夜。