ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2011、1日目の雑感です。

2日目はこちら。
ロックインジャパンフェス2011 2日目雑感(2011.08.06)

12年目を迎えるこのフェス、僕自身は11回目の参加で、今年も、いや今年は例年にも増して心に残るものとなりました。

Twitterではいろんなファンの方もいらっしゃるから基本的に「よかった!」ってことだけを言うようにしてるんだけど、ブログの方ではもうちょっと正直なことも書こうかと思う。
Twitterとブログじゃ情報の受け取り方が違うし、わざわざ僕のブログを能動的に見に来てくれる奇特な方にはもうちょっと本音を話そうかと。

こんな感じで回りました。
実線はすべて観たアーティスト、点線は一部を観たアーティスト。

ROCK IN JAPAN FES 2011 Day1

■心に残ったアクト

・[Champagne]
・Cocco
・BIGMAMA

10:20頃に会場着。
今年は第1駐車場で快適。
これって第1次先行で申し込んだ人から近くの駐車場になるんだよね…?(そうであってほしい)

レイクでMONGOL800が始まったのが聞こえる。
「小さな恋のうた」でステージの外側に群がるお客さんを見て、「ああ今年もここに帰ってきたなあ」と実感。
そのあとにはGO!GO!7188の「こいのうた」もやっていて。
「最近の代表曲がない場合はカバー中心で押すっていうのは有効な手だよねえ」と思ったり。

オフィシャルTシャツの事前予約コーナーに行くも、混んでたのでまたあとで。

さて、いよいよロッキンが始まるよ。

■[Champagne] @ウィングテント

ステージ左側、かなり近く&動けるスペースもある、っていう絶好なポジションで観られた。
いきなり「For Freedom」から。
どのアーティストでもよくあるパターンだけど、2枚目のアルバムを出したおかげで1stの名曲を序盤に持って来られる“フェス的セットリスト”っていいよねえ。

そうやって久しぶりに観たシャンペイン、クソかっこよかった!

みんな上手くて、聴いていて安心&とってもノれる。
特にドラム(庄村聡泰)の躍動感、半端ないわー(特に2曲目の「Rocknrolla!」でのドラム、めっちゃかっこよかった)。
彼だけ他のメンバーの後輩で後から加入したんだよね。
もしかしたら彼が加入してから観るのは初めてだったかもしれない。
でもこれはシャンペインを観る理由が確実に一つ増えた!

「言え」だとか、ラストにやった「city」だとか、最近のシングル曲も全く違和感なく(むしろめっちゃかっこよく)組み込まれていて、これはこれからも観続けたいバンド。
こういう正しくロックを奏でてるバンドは、順調にステップアップしていってほしいなー!

…って、すごくいいライブだと思って観てたんだけど、「なんかお客さんが抜けていくな…」と思ってたらグラスでサカナクションが始まる時間だったのね。
サカナについて話すと話が脱線しまくるので、ここでは割愛(今回は全く観てない)。

そこからグラス方面に移動。

■★STAR GUITAR @DJブース

彼らの楽曲が好きなんだけど、「いやいや、もっと自分たちの曲流せばいいのにー」と思ってしまったよ。
「ONE MORE TIME」、「今夜はブギー・バック」、「やさしい気持ち」などをかけてたんだけど、どれも原曲の良さを生かしてるようには思えないアレンジ。
自分たちの曲で初めての人にも伝わるようなキャッチーなものがたくさんあるんだから、それで勝負すればいいのにー。
(↓こんな曲とか)

まあ、それなりに踊ったけれども、ね。
(前方の右側はほとんど人がいなくて快適だった)

シーサイドに移動して、初見のFLiP
ちゃんとしたガールズバンドだった。
こういう、若くても“ちゃんとした”バンドって増えてるよねえ。
ラスト曲の前にボーカルのサチコが「楽しいー!終わりたくなーい!」って叫んでたのが印象的。

そのままシーサイドで、海からの風をちょっと浴びる。
気持ちいい。

●NUBO @シーサイドステージ

同じくシーサイドでNUBO。
これもライブ初見だったけど、期待どおり楽しく踊れるバンド。

ベース(サブって名前らしい)がとってもよく効いてる。
自分とフィーリング(グルーヴ感)が合うミュージシャンの人って、弾いてる時・歌ってる時のステップや踊り方まで自分と似てるんだよねえ。
サブというベーシストさんにも同じことを思った。

ところでライブ後に知ったんだけど、去年のロッキンにも出てたのね。
どうりで、良い意味で地に足がついているというか、ちゃんと余裕をもってお客さんを楽しませようとしている感じがした(やっぱり初出場だとなかなかああいう風にはならないと思う)。

この時間はフォレストのUNISON SQUARE GARDENと悩んだんだけど(あっちは行ったら行ったで絶対楽しい)、初見でもこっちを選んでよかった。
ライブが楽しいバンドと知ることができてなによりです。

シーサイドからハングリーフィールドに戻って、毎年恒例の梅ソーダを注文したんだけど、600円に値上がりしていてショック。
梅があまりとれないのだろうか。さすがに600円は高いぞ。

●locofrank @サウンドオブフォレスト

ライブを観るの初めてかもしれない。
よくあると言えばよくある編成・サウンドなんだけど、ちゃんとしてるスリーピース。
ボーカル・木下正行のMCがとても印象的だった。

「ご存知の通りロッキンはダイブ・モッシュNGで、僕らは去年は出演を断らせていただきました。でも俺らは一部の人じゃなくてみんなに聴いてほしいと思ってる。その守るべきもののためには、ルールぐらい守ってやる。
俺らはダイブ・モッシュを肯定も否定もしない。でも心の底から湧き上がってくる、どうしても押さえられないものもあると思う。そういう奴らは今夜9時から水戸のライトハウスでフリーライブやるから、そこに来てくれ」

そんでラストに「START」をやってくれたのは嬉しかったなー。
こういう曲が似合うから、ロックフェスは夏なんだと思う。

●Cocco @グラスステージ

わたしがずっと添い遂げたいアーティスト、Cocco。
グラスの最前近くに陣取る。

リハから椎野さん、Curly Giraffe、達身さん、あっきー、堀江さんのいつものメンバー。
(堀江さんはリハ時にはあまり出てきてなかったかな)

ロッキング・オンのフェスに限って言えば、2009年末のCDJでムーンという小さなステージで“リハビリ”的に戻ってきて、去年(2010年)のロッキンではフォレスト、CDJではアース、そして今回はグラスと、ステージの変遷だけを見てもアーティスト・Coccoが再び表現をリスタートしてきた軌跡がくっきり分かって、もう感無量。

グラスのステージに上がったCoccoは、いつものように肩を大きく揺らせながら、はるか遠くを見つめるようなその両目。
見慣れた仕草だけれど、今日のCoccoの目にはライブハウスやホールの天井・壁ではなく、ひたちなかの空が遠くまで広がっているんだろうな。
このCoccoの一挙手一投足を見るだけで泣けてくるのは何故。
たぶん、そこにある一番大きな感情は、「嬉しさ」だろうな。

「言いたいことはあれこれあるような気もするけど、まとめるとひと言です。ありがとうです」

たぶんわたしにとってCoccoのライブはもはや“音楽ライブ”の範疇を超えていて、Coccoという人に会って、Cocco自身とそのパフォーマンスを受け止めて、そしてCoccoにありがとうを伝える空間になっている。

今回もありがとう、とCoccoに伝えたい。

●OGRE YOU ASSHOLE @サウンドオブフォレスト

実はフォレストのオウガはすっごく期待していた。
去年の夏、同じ場所で観たオウガでものすごく楽しく踊りまくっていたから。
オウガは屋内でも何度も観るけれど、そのたびに「野外の広いところで踊りたい!」と思っていたんだよねえ。

ただ、一週間ほど前にベース・平出規人がこのアクトをもって脱退、というニュース。
個人的には「そういうことをあまり気にせず楽しんでやる!」と思ってたんだけど、この日のオウガの音やセットリストがそんな感じではなかったなあ(もちろん僕の心境も関係してるとは思うけど)。

「いつもよりベースの音、大きくないかな…」とか、「タンカティーラでハッシュワリワリって歌わないんだ…」とか、細かいことまで気になってしまった。

この日のライブ、どこでどういうボタンのかけ違いがあったのか分からないけど、個人的にはどうもしっくりこなかった。
同時に、(自分にとっての)“良いライブ”というのもすごい巡り合わせなのだなあ、とも思った。
同じバンドが同じ場所で同じ曲をやったとしても、「良い!」と感じるかどうかはいろんな要素が絡み合っていて、それこそいわば奇跡のようなものだなあ、と。
ピエール中野さんは「バンドがそこに存続していること自体が奇跡のようなもの」と言っていたけれど。

逆に言えば、いつも決まってハイクオリティなパフォーマンスをしてくれるバンドもあるんだけど(例えばDragon AshやACIDMAN)、そのバンドの凄さ・そのことの難しさも改めて感じたり。

次のBIGMAMAもフォレストなので、森のキッチンで牛すじ煮込み丼を食べて待機。
湘南食堂は魚ネタがメインの屋台だけど、鮪のほほ肉丼よりもこっちの方がおいしいと思う。

●BIGMAMA @サウンドオブフォレスト

いやもうね、ものすごく感動した。
いつもアクトが終わって(ブログの下書き的な意味でも)感想ツイートをちょっとするようにしてるんだけど、「BIGMAMA、あまりに感動したのであとでまとめてつぶやく。」と打つしかなかったぐらい。

それで、夜に宿に帰ってから、感想をまとめてつぶやいた。
その言葉の方が生きている気がするので、そのまま貼ってみる。

BIGMAMAのこと。僕は今日のライブでも彼らを生で観た回数はまだ10回にも満たないけれど、観る度にいつもストレートに気持ちが伝わるライブをしてくれて、その”コンスタントさ”がまずすごいと思ったんだ。

それでなんでBIGMAMAのライブってこんなにいつ観ても(たとえ30分でも)心に響くんだろうと考えてみた。それはきっと彼らの音や彼ら自身が発するポジティブなオーラがすごく眩しくて、自分にはないものを憧れて観るような感覚があるからなんだと思う。

もちろんメンバーにだっていろいろあるのだと思う(誰だってそう)。けれどそれを乗り越えた上でライブであれだけの熱意やポジティブマインドを発するところに至る、その生き方というか姿勢にいつも胸を打たれるんだと思う。そこが他のバンドよりもすごく伝わりやすい。

今日、金井さんが「いつかあっちのデカイ方でやりたいんす。だから今年こうしてフェスが行われてすごく嬉しいし、呼ばれるか分からないけど来年も再来年も出ます」と言ったとき、もう完全に応援する心境というか「がんばれ!絶対行けるから!」とそれはもう強く思ったんですよ。

それでラストのシンデレラはもう自分でも珍しいぐらい号泣してた。あれはなんだったんだろう。さっき書いたような彼らへの憧れや眩しさはもちろんあるんだけど、それだけであんなに泣くかな。あれはなんだったんだろう。

以上が当日にガーッとツイートしたもの。
ちょっと補足しておくと、その前にオウガでモヤっとした気分になったことも多分に関係はしている。
同時に、オウガはアーティストも(それに比例してか)ファンもすごく大人しい。単にMCをあまりしないとかいう意味でなく、感情の発露をあまりしない。
でもやっぱりそれって“分かりやすく”伝えてくれた方がこっち(観客)としては嬉しいんだよね。
そこは性格・パーソナリティが関わることで、どっちが良い悪いではないんだけど、僕としてはBIGMAMAから発せられるものにすごく心を動かされた、ということ。

前から良いバンドだとは思っていたけど、こんなに心動かされるとは!というアクトでした。

あれ以来、この曲を聴くたびになんだか泣きそうになります。
一つのライブで曲の聴き方もこんなに変わるとはねえ(ひねくれた歌詞なのに。笑)。

●80KIDZ @シーサイドステージ

いつも通りよかった。
たくさん踊った。

でも、このステージに足りないものがあったとしたら、それは“狂騒”だと思う。
80KIDZがまだ日が沈みきってない18:50のステージに上がるのって、ちょっと早すぎるんじゃないかなあ。

早くとも22:00ぐらい時間帯に宿る「夜だぜ、騒ぐぜ、イェーイ!」的な狂騒があると、もっとグワーッと上がっていくライブになったんじゃないかと思う。
そういう意味では、去年のCDJで27:15からやってくれたときはすごくよかった。
あれを味わっちゃうと、この時間帯だと物足りなく感じてしまうなー。

↓ラストはこれでした。

僕のメインイベントは80KIDZだったんだけど、フェスはまだやってるのでごはん食べながらアジカンをボーっと観てから、TAKUMAがやってるDJブースへ。
泥酔中のTAKUMAの一人漫才がひじょーに面白かった。
自分の曲やって「あっ!NAOKIがおらん!自分でやらな!」だとか。

そこから再びちょっとアジカン。
やっぱり後藤さんの歌は、僕の心には何も響かない(こればかりはもう何年も変わらないなあ)。
心に響く・響かない以前に、特にアッパーでキーの高い曲はほとんどまともに歌えてないからなあ(でも数年前より少しはよくなってる気はする)。
アンコールでやった「新世紀のラブソング」ぐらいのテンポ・キーがちょうどいいんじゃないかと思う。

そうやって曲がすべて終わったあと、「HOPE」「LIFE」「NO NUKES」っていう言葉がスクリーンに映し出されて、最後の最後に「未来について考えよう」って出たときはちょっとゾッとしたわ。
やっぱり説教臭いのねえ…。
別に未来について考えたくてロッキンに行ってるわけじゃないのに、その〆で「未来について考えよう」って言われてもなあ…。

そこから再びDJブースへ。
前方で保坂さんのかける曲を聴いてたら、yanokamiの「恋は桃色」が!
って、心の中で「おおーっ!」となったわたしは少数派だったみたいで、周りのDJブース前方のお客さんは友達同士で談笑してる人が多かった。

harakamiさんのこと、「恋は桃色」という曲、知らないことが罪というわけではないんだけれど…、その曲を聴いている自分の心境だったり、その曲をかけた保坂さんの思いを考えたりしたら、その“断絶感”にクラクラする思いがして、さっさとDJブースを後にしてしまいました。

…って、最後はちょっとアレな感想になってしまったけど、「もともと観るつもりがないものはやっぱり観なくてもいい」っていうことを改めて学びました。
自分が観たいと思ったアーティストはやっぱり最高に素敵なものが多かったです。

Coccoはちょっと別格としても、BIGMAMAや[Champagne]だとか。
もうほんと、ありがとうとしか言えません。

これだけ満たされても、まだあと二日もあるんだね。すごい。

◇そのほか、今年のフェス雑感
フジロック2011 1日目雑感(2011.07.29)
フジロック2011 2日目雑感(2011.07.30)
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