僕が企画・運営しているダイビングの総合サイト・スキューバダイビング.jp
早いもので、プレオープンから半年近くが経ちました。

表向きにはニュースカテゴリを日々更新したり、裏ではいろんな方と話をさせてもらったり、そんなうちに季節は春から夏になり、今ではすっかり秋らしく涼しくなってきました。

スキューバダイビングにシーズンがあるとすればそれはもちろん夏で、人がダイビングのことを考えるのも夏が一番多いでしょう。
サイト管理者として日々のアクセス(PV)は常にチェックしていますが、サイトへのアクセスも普通に考えれば夏がピークでしょう。そして案の定、9月下旬から10月に入り、夏に比べればアクセスは少しずつ減ってきました。

もちろんサイトの生命線はアクセス数ですから、決して歓迎すべきことではありません。
ただ、その中で僕が嬉しいことが一つあります。
それは夏が過ぎ、ダイビング事故の記事を書く機会が減ったことです。

■「人気の記事ベスト10」のジレンマ

スキューバダイビング.jpのニュースカテゴリでは、当初「一週間でアクセス数が多かった記事」をまとめる「この一週間で人気の記事ベスト10」というまとめ記事をアップしていました。もちろん、読み逃している方に「この記事、面白いですよ、人気でしたよ」と教えるためです。

しかし、夏が近づきダイビングシーズンになるにつれ、ちょっと困ったことが起こりました。
ダイビング事故(潜水事故)の記事が上位を占めるようになってきたのです。

ただ、これは予想できたことでした。もともとダイビング回りの世界では事故をちゃんと伝えるメディア(雑誌でもウェブでも)は少なく、ダイバーさんたちは事故の情報に“飢えて”いるのです。
以前からウェブ上で「○○(地名) + ダイビング事故」という検索は多くされていましたが、それで求められる情報に応えるページ(記事)がなかったのです。

スキューバダイビング.jpではダイビングの良いところだけでなく、そのリスクもフラットに伝えていきたいと考えています。
そのため、ダイビング事故も通常の楽しいニュースと同様に記事にします。ただ、以前からの“飢餓感”から、楽しいニュースよりも事故のニュースの方がニーズとしてはずっと高かった状態なのですね。

その結果、「人気の記事ベスト10」の上位がダイビング事故関連のニュースで占められるようになりました。

ここで単純に一つ、問題と思ったことがあります。
「人気の」という表現はいかがなものか、と。
当たり前のことですが、僕はダイビングの事故が減ってほしいですし、ダイビングをもっと安全なものにするためにもこのサイトをやっています。
なので、ダイビング事故の記事にアクセスが集まり(それ自体は悪いことではないのですが)、それを「人気の記事」と呼ぶことに強い抵抗を感じました。

また、今はもう「そういうものだ」ということで受け入れていますが、「ベスト10」の上位に事故関連の記事が並ぶことも「ユーザーさんから見ればどうなんだろう…」と思いもしました。

そこで、いったん「人気の記事ベスト10」をアップするのは止めて、ちょっとスタンスを考え直しました。
(最後に「人気の記事ベスト10」をアップしたのは、2010年6月14日です)

■「よく読まれた記事ベスト20」へ

考えた末に新たに始めたのは、「この1ヶ月でよく読まれた記事ベスト20」でした。
「あんま変わってないじゃん!」とお思いの方もいるかもしれませんが、「人気」という言葉よりもよりフラットに事実のみを表す「よく読まれた」という表現にした、ということが大切なのです。

また、「一週間のベスト10」だとほんとに事故だらけになる可能性が高いと思ったので、「1ヶ月のベスト20」という単位にしました。
このスタイルで、9月1日から現在までやっています。

ただ、この1ヶ月でよく読まれた記事ベスト20 2010.10.01をご覧になるとお分かりの通り、やはり夏の間にアップした事故関連の記事が上位にランクインしています(これは9月1日~30日までの集計です)。
これは現状では仕方ないことだと思っています。

むしろ今すべきなのは、「事故が起こることを防ぐような活動をすること」、そして「なぜダイビング事故はこれまであまり報道されてこなかったのか、その事情を伝えること」だと思っています。

■夏が過ぎ、事故は減り、アクセスは減りました

そして、10月。
当サイトが把握している限り、公になっているダイビング事故は9月11日が最後です。
(参照:潜水事故カテゴリ « スキューバダイビング.jp

ニュースカテゴリでの“キラーコンテンツ”が約1ヶ月なくなり、当サイトのアクセスは微減しています。
ただ、これは本当に喜ばしいことです。ダイビングが原因で大きな怪我を負ったり亡くなったりする方が出ていない、ということですから。
「自サイトのアクセス数が増えること」と「ダイビング事故が減ること」、どっちかを選ぶとしたら、当たり前ですが断然後者を選びます。

と、最近スキューバダイビング.jpの内側で僕が思っていることを書いてみました。
こういう際に大事だと改めて感じたのが、サイトのポリシー・信念をしっかり持っていること。ここがグラグラ揺らぐようだと、PV(=ゆくゆくはお金につながるモノ)を稼ぐことばかりに気を取られてしまうかもしれません。いわゆる「悪魔に魂を売り渡した状態」ですね(笑)

とりあえず自分はまだ大丈夫、ということを確認できただけでもよかったです。