先日、「トイ・ストーリー3」を観てきました。
その感想というか、覚え書き。

「トイ・ストーリー3」の本編は、僕の周囲の評判通り、すっばらしかったです。
楽しいところは楽しくて、最後は号泣レベルで感動してしまって。
映画であんなに素直に泣けたのは久しぶりでした。

ただ、ここで書き留めておきたいのは、本編の前に流れた「Day & Night」という短編アニメーション(Teddy Newton監督)と、「トイ・ストーリー3」のArt Directorを務めた堤大介(Daisuke "Dice" Tsutsumi)さんのこと。

まずは「Day & Night」という短編アニメーション。
Pixar – Day & Night
Day & Night (2010 film) – Wikipedia

Day & Night

YouTubeにトレーラーっぽい短いバージョンがあったので貼っときます。

この映像のように、「夜」と「昼」が擬人化された二人の主人公がいます。
まずこの「夜と昼を擬人化する」というアイディア、そして「彼らが動くとその向こう側の景色が移ろう」というアイディアが素敵。ここはアイディアが素晴らしいところ。

そしてピクサーがもはや法則的にちゃんと守るのは、そこに“エモーション”という要素を加えること。つまり、この「夜」と「昼」はお互いがお互いを羨ましいと思っていて、「夜」は「昼」みたいに太陽の下のビキニのおねーちゃんと仲良くなりたいと思っているし、「昼」は「夜」の星空や花火の美しさに憧れる。

ここに“エモーション(感情)”があるから、短編といえど一つの物語として引き込まれちゃうんでしょう。結末も(ネタバレになるので書きませんが)そのエモーションを完全に有効利用した素敵なものになってます。

やっぱり映像にはアイディア・ストーリー・エモーションが大切なんだな、と再確認しました。

 

もう一つは、「トイ・ストーリー3」でArt Directorを務めた堤大介(Daisuke "Dice" Tsutsumi)さん。

本編を観ている時から、色彩とその色づかい、そして全体のバランス・調和がすごく綺麗だなーと思っていました。「あー、こういうところがピクサーはすごいよなあ」、そして「日本にあまりないセンスだよなあ」と。
でもそれは間違いで(お恥ずかしい)、アート・ディレクターは堤大介さんという日本人だったんですね。それをエンドロールで見つけたとき、驚くと同時に日本人としてとても嬉しかったです。

例えば、この保育園の家具の色彩や、全体の雰囲気!カラフルで楽しいのに、どこか上品で落ち着いていて。キャラクターデザインはまた別の方の担当だと思いますが、とにかく全体のバランス・調和がとても素敵。

トイ・ストーリー3の保育園

で、家に帰って調べてみたら、公開前にもちょっと話題になってたんですね(知らなかった)。

「トイ・ストーリー3」のアート・ディレクターは、幼なじみだった! : FROM HOLLYWOOD CAFE – 映画.com
映画「トイ・ストーリー3」の美術監督を務めた日本人 ― 堤大介さん – ホコホコNews

ご本人の公式ウェブサイトも。
welcome to daisuke tsutsumi’s website – simplestroke.com

これを書いている2010年9月の時点で、ピクサーには日本人が2人しかいないそうで。その一人の堤さんが「トイ・ストーリー3」で各シーンのセットや照明を作る土台となるカラー・スクリプトを担当しているとは、本当にすごいこと。
この事実(偉業)を日本人はもっと誇りに思っていいと思います!

 

「トイ・ストーリー3」、本編も素晴らしかったし、それに加えて「Day & Night」と堤大介さんにも感動したので、備忘録的なエントリでした。