ロッキン2日目、8/1(土)の感想・雑感です。
また徒然なるままに。
1日目は、こちら。ロックインジャパンフェス 1日目「やっぱりこれは素敵な宗教」

この日から、友達夫妻2人が合流。
彼らはロッキン初体験で、僕が来るように薦めた人たち。
彼と彼女がこのフェスを観てどういう風に思うのか、その反応もとても楽しみにしていたりした。

まずはグラスで10-FEET
グラスのトップバッターってところに、「いよいよ感」を感じてしまう。
(グラスのトップは初めて)
トップバッターが似合う感じでもある。

それにしても、TAKUYAさんは優しい人だなー。
渋谷さんも言っていたけれど、伝えたいことややりたいことが明確にあるのもよく分かる。

「ダイブした奴、一人もおらんかったやんけ」
と言った時の笑顔は本当に素敵だった。
(ダイブに関しては最後でも記述)

次もグラスで、9mm Parabellum Bullet
特にアーティストから「ライブがすごい」と言われているのをよく見かけるので、
(吉井和哉さんは「彼らの後はイヤだなー」とまで言っていた)
どんなものなのかと初の生観賞。

現時点でグラスステージを務めるだけの力は(ギリギリ)あるように聞こえたし、
菅原卓郎さん(Vo.)の佇まいや言葉からは、いかにも現代っぽいロックンローラーな感じはした。

ただ、彼らの音楽(曲)は個人的にはそこまで好きではないのだなあ。
ここはもう、彼らがやりたい音楽と僕の単なる趣味の問題。
とはいえ、2004年結成ということを考えれば、もっとデカくなっていきそうな予感はするバンド。

次は初めて行くシーサイドステージで、のあのわ
シーサイドステージは予想通り狭くて、音が(ロッキンでは珍しく)大音量で聞こえた。

のあのわは「ゆめの在りか」で知って、その他の曲もけっこう好きだったのだけど、
予想以上に楽しさと熱が伝わるライブだった。
いい!
このまま変に商業的にならず、やや異彩なところを残しつつ、
順調に育っていってロッキンの常連になってほしいところ。
フォレスト(orパーク)で聴くと良さげな感じ。

ラストの「ゆめの在りか」では泣けた。
Yukkoさん(Vo.)、いいと思います!

そこからマンゴーアイスシャワーを食べるという目的もありつつ、
レイクのdustboxへ。

途中から観たのだけれど、みんなダイブしないねー。
(最初の方にちょっと起こったけど、「ルールの中で楽しもう」みたいなことを言ったらしい)

とはいえレイクのフロアはほぼ満員状態で、いい感じの盛り上がり状態。
「Try My Luck」「Stand By Me」「Sun which never sets」あたりの流れはやばいなー。
(こういう音楽が好きな僕29歳、まだまだ若い。笑)

そういや、階段横の空いてるスペースにいた5人組がとても印象的だった。
地面にゴロゴロしてると思ったら、あれがダイブだったのね。笑
最後の方には、1人(女の子)を他の4人が持ち上げて簡易ダイブしてたり。

3日目のナヲ姉(マキシマム ザ ホルモン)のMCを引用させていただくと、
「子どもはルールの中で楽しみを見つける天才」

ほんと、その通りだねー。
dustboxのステージには、そんな素敵な子どもがたくさんいた。

その後、ちょっとフォレストで休んでたら、
泉谷しげるが「雨あがりの夜空に」をやっていた。
(ここでたまたま聴くのは、昨日のYUIに続いて早くも2回目)

次はグラスに戻って、RIP SLYME
過去に何度かトリも務めているし、もはやロッキンの大御所状態。
まあ、安定感がある。
(個人的には一番好きな「ONE」をやってほしかったけれども)

とはいえ、僕はそこまでファンではないので、「なんとなく見てれば十分」というぐらい。
「見てればガッカリはさせられないし、楽しいけど、本命ではない」というような。
そういう人はけっこう多いんじゃないのかな。

そう思うと、僕が大好きで120%真剣に観るDragon Ashも、
特に若い人たちにとっては、僕がリップに対して感じているのと同じような感覚なのかもしれない。

ただ今年のリップはオリジナルのバンドと一緒に来ていて、
バンド音と重ねて聞くリップのラップは新鮮だった。
そうやって進化していってるんだなー、と。

リップの後は、そのままストレイテナー

ところで、今年からグラスステージの出演アーティストが1日7組から8組に増えた。
(で、スタートが10:30~になった)
これって(あまり語られてないが)けっこう大きい変更だと思う。
グラス→グラスと観る時に、これまでの感覚よりかなり慌しい。
まあ、その分観られるアーティストは増えて、
休みたかったら休んでればいい話なので、基本的には歓迎すべきことなのだろうけれども。

ただ、リップを見終わって、トイレ行って、ちょっと飲み物でも買ってたら、
もうすぐに「次が始まる!」みたいなことになってちょっとビックリ。

さて、ストレイテナー。
去年の1日目のトリが良かったので、「今年はどうだろ」と思って観てみたのだが、
だいぶ淡々と過ぎていってしまった感じ。

去年はまさかのトリでみんなビックリということもあって、
様々な責任感とか重圧とか受け止めなきゃいけないオーディエンスの思いとか、
そういうものたちが彼らとそのステージにプラスに働いてたんじゃないだろうか。

今年はそういうものからは解き放たれたわけだけれども、
それと比例してライブ自体もスーッと流れていってしまった感じ。

そもそも、ホリエアツシさんのキャラからして、
こういう真っ昼間よりも夕方~夜向きなアーティストなのではないかと思う。

で、次がいよいよ吉井和哉さん!

いやー、今回最も楽しみにしていたと言っても過言ではない!
イエローモンキー時代から大好きだったけれども、
ソロになってからますますいい曲を書きまくっているからなあ。

こういう色気とカリスマ性と優しい笑顔を兼ね揃えたロックスターって、
なかなか他に見つからない。
(特に、色気の部分!)

自分が女だったとして、吉井和哉というヒモに貢がされたとしても、
あの笑顔で「ゴメンネ」って言われたら絶対許しちゃうもん。

登場からして、赤い衣装が似合うのなんの。
やっぱり、ロックスターは登場シーンを見逃してはいけない。
吉井さんしかり、永ちゃんしかり、エレカシの宮本さんしかり。

で、歌い始めたのが「楽園」なものだから、
これは本当に楽園に連れて行ってくれてるところなんだと思いましたね。

今回の吉井さんはラストの「JAM」の爆発力が凄まじくて、
ネット上でもそこは多く賞賛されてるんだけれど、
途中のソロの曲もすげえよかった、ということを声を大にして言っておきたい。

「WEEKENDER」もかっこよかったし、
「シュレッダー」「ONE DAY」「ビルマニア」と続くあたりも最高。

まあ、どんな曲にしたって歌うのが吉井さんなわけだからそりゃあ良いのだけれど、
選曲もとても素晴らしかった。

で、
「最後に、僕が昔作ったブルースです。
 若い人は知らないかもしれないけれど、よかったら一緒に歌ってください」
と言っての、「JAM」!!

あのイントロで、どれだけ心が震えたことか!
(そしてきっと、どれだけ多くの人の心が震えたことか!)

「一緒に歌って」って言ってたけど、感動で震えてなかなか歌えませんよ!

あれはもう言葉にならなかったですわ。
本当にありがとう、吉井さん。

さらにまだ感動は続き、吉井さんが去って後ろを振り向いたら、
虹がかかってるじゃないですか!
「あー、これはなんか今、すごいことになってる」と思ってました。

それでもう完全燃焼状態だったのだけれど、
とりあえずは当初の予定通りパークのOVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUNDへ。

未だにアルバムは一枚だけなので、いつもとほぼ同じ内容なのだけれど(ちょっと新曲あり)、
「Hold Your Hand Up High」と「Thank You」が最後に聴けて満足。

グラスでやるアジカンのライブにはもう見切りをつけているので、
かすかに聴きながらハングリーフィールドでお食事。
(ネットを見る限り今年も酷評が多かったし、友人夫妻もガッカリしていた)

そして、トリのDragon Ash

結局、僕にとってロッキンは大好きなフェスであり、ドラゴンアッシュはやはり欠かせないのだ。
とはいえ、今年はDOPING PANDAサカナクションが同時刻にかぶっていて、これは痛すぎる。
(案の定、この二つのライブは絶賛の嵐)

けれども、僕にとってロッキンの一つの大きな目的はドラゴンアッシュと降谷建志に会うことなのだ。

加えて、今年リリースされた「FREEDOM」というアルバムから、
「悩んでた時期をちょっと抜けたか?」という印象を感じたことも、楽しみが増した理由。

そんなこんなで、ステージ上の降谷さんは、ほぼいつも通りの降谷さんだった。
やっぱり、Dragon Ashがすごく好きな人もそうでない人も、
グラスに集まったあれだけのお客さんをあれだけ楽しい気分にさせるというのはすごいこと。

だからこそグラスのトリを何度もやるわけだろうし、
僕が主催者だったら、この光景を見たらやっぱり彼らに任せてしまいたくもなる。
(楽しいだけでなく、泣いている人も多数いたわけで)

印象的だった言葉は、
「僕たちも音楽をやっていて楽しいことばかりじゃない。
 いってこいだと、イヤなことの方が多いかもしれない」

これだけ成功や才能やファンからの思いに恵まれてる降谷さんでもそうなのか。
「自分もがんばらないと」と思った。
毎年、降谷さんにここで会うと、そう思う。

2007年に感動したケータイの光の光景は、やっぱり今年も綺麗だった。

アンコールでは、今年も「Viva la revolution」をやってくれた。
「ここに立ってる意義が欲しかった だから必死で戦った」降谷さんが、
「満面の笑みを浮かべている キミ達がすぐ目の前に見える」状況になって、涙を流す。
そんな様を見ていたら、そりゃあ心を打たれますよ。

結局、音楽はもちろんなんだけれど、降谷さんという人の人間性が大きいのだと思う。

アーティストは誰だって音楽に気持ちを込めてるだろうし、
その気持ちの大小なんて誰にも計ることはできない。
ただ、それをオーディエンスに伝えることができるという表現力の違いはある。

降谷さんの場合、どうしても滲み出る優しさに惹かれるんだろうな。
優しさに満ちながら、語りかけるかのように・何かを伝えようとして歌うから、僕の心には響くのだと思う。
(激しい音楽でも、メロウな音楽でも)

DOPING PANDAもサカナクションも、絶対に楽しかったはずなんだけれども、
Dragon Ashに今年もまたひたちなかで会えたことは本当に嬉しかった。

なお、最初に書いた友人夫妻も、このフェスをすごく楽しんでくれた。
いろんなアーティストを楽しみつつ、
最後にはDragon Ashにも、僕と同じようなことを感じてくれていたみたいで。

僕はもうロッキン9回目なので、かなり身内褒めみたいなところがあるのだけれど、
こうやって初めて体験した人が同じように楽しく過ごしてくれるのはとても嬉しい。

やっぱり、人を感動させられるアーティストって、偉大。

■ダイブについて

10-FEETやdustboxは自分でも見ていたけれど、実際、ダイブは圧倒的に減った。

基本的に、ルールなのだから守らなければいけない。
「守りたくない」「ダイブできないとなんか燃えない」という人は、
残念ながら他のライブなりフェスに行くしかない。
(まあ、ライブハウスでも建前上は禁止なのだけれども)

ロッキンの感想やダイブについて、mixiと2ちゃんはだいぶ読み漁った。
(ちなみに、2chの方がよっぽどまともだった。mixiはほんとに落ちぶれてしまったな…)

ロッキンがダイブに関して他のフェスと違うのは、大きく二点あると思う。

・今年から、1度目に注意&2度目に退場の措置をとったこと
・以前から、ダイブを禁止する「理由・意図・目的」をきちんと説明していること

一つ目はもちろん今年からの独自の措置だけれども、
二つ目の項目も、他のフェスと大きく違う点だと思う。

つまり、ただ禁止と言うだけではなく、
「○○だから禁止」ということをHPや会場内で繰り返すアナウンスで伝えようとしていることだ。
(ここらへん、雑誌の会社らしい感覚だな、とも思う)

「昨年のカウントダウン・ジャパンでダイブによってケガをされ後遺症が残った方がいました。
 我々は、このフェスで被害者も加害者も生み出したくありません」
という部分。

僕はこの趣旨(意図)はとてもよく理解できるので、
だからこのフェスでダイブをしてはいけないというルールも理解できる。

もちろん、訴訟になった場合のことも考えてはいると思うのだけれども、
「被害者も加害者も生み出したくない」という部分に、ロッキン側の考えは詰まっていると思う。

もし周りにダイブした人がいたとして、もしその人の靴が目に当たって自分が失明したとしたら、
そのダイブした人を許すことができるのか。
(しかも、その人は本来は禁止されている行為をしているのに)

あるいは、
もし自分がダイブをしたとして、たまたま誰かの頭部や顔に重症を負わせてしまったとしたら、
その後の人生をどういう気持ちで過ごすことになるのか。

もっと言えば、
もし自分が、ダイブによって後遺症が残る怪我をした人の親だとしたら、
そのダイバーのことを許せるのか。

そこらへんの想像力を働かせないといけないのだと思う。

そして、このロッキンというフェスでは、
「被害者も加害者も“生み出したくない”」
という意思を表明しているのだ。

それでも仮に「ダイブがないライブはイヤだ」「ダイブを認めてほしい」というのなら、
上記の点についての反論をしないと意味がないと思う。
(少なくとも現状、僕は想像してみる限り反論できないのだけれども…)

ロッキンというフェス自体、過渡期なのかもしれないし、
「ダイブを禁止されるとなんか盛り上がれない」という気持ちも分からなくはない。

それでも、今回のフェスではダイブを禁止されても楽しんでいる人たちも多く見かけたし、
そういう意味ではダイブ禁止後の希望の光みたいなものは見えているように思えた。

まあ、なるべく最大多数が楽しめるフェスであり続けてほしいけれども、
それが参加している人の100%全員にはなれない、という厳然たる事実は、ある。
残念ではありますが。