10周年を迎えたROCK IN JAPAN FESTIVAL、
僕自身としては9回目の参加となった今回の感想をつれづれと。
まずは1日目、7/31(金)です。

スタートは、グラスステージのPerfume
その前に、渋谷陽一さんの挨拶から。
今年は珍しく3日ともグラスでスタートを迎えた(=3日とも渋谷さんの言葉を聞いた)ので、
どこの日で何を言ったのか、詳しくは忘れてしまった。

ただ、3日目、「このフェスは宗教のようなものとすら感じる」という言葉には、全く同意。
渋谷さん的には語尾を濁した感じだったが、
おそらくこれは宗教なのだとハッキリ感じているのではないか。

毎年、僕にとっては最高に気持ちいい宗教なのだ。
そして、この中毒性だとか唯一性も、紛れもなく宗教というものが持つ要素なのだと思う。

さて、パフューム。
昨年、レイクステージで観たのが初めての生パフュームだったのだけれど、
やっぱり生はよい。
何がよいかと言えば、とても人間味のあるステージを見せてくれるから。
無機質な歌と踊りとのコントラストがよい。
(ちなみに、歌詞も無機質だから好きなので、「ワンルーム・ディスコ」の方には流れてほしくない)

また、Rockin’on Japan7月号のあーちゃんの苦悩吐露インタビューも気になっていた。

けれども、今回のステージの彼女たちはいたっていつも通り。
いつも通りによかった。
(とか、生観戦が2回目の僕なんぞが偉そうに言えないのだが)

そもそもあの苦悩インタビューにしたって、あーちゃんは
「お客さんと生で触れ合えるライブが一番の楽しみ」
と言っているわけで、これだけのお客さんの前でトップバッターを飾る喜びは大きかったんだろうなー。

と同時に、パフュームはあーちゃんのグループなのだということも再確認。
ライブだからこそ伝わる、あの存在感。
そして純粋さと、かわいさ。

いい感じのトップバッターでした!

ちなみに、ライブではあーちゃんの「ディスコ!」の叫びが好きです。
あそこの無邪気な声に、“生のあーちゃん”“生のパフューム”をすごく感じる。

口パク(リップシンク)の部分があるというのはヤスタカさんも認めていることだし、
僕はそこを突っ込もうとはぜんぜん思わない。

そこからレイクステージに移動。

途中、フォレストからBACK DROP BOMBの「That’s The Way We Unite」が聞こえてきた。
うーん、こういう懐かしい歌を聞くとうれしいな。

レイクでは、いきなり僕の本命の一つ、LOW IQ 01&MASTER LOW
一週間前のフジロックではBEAT BREAKERを観られただけに、
今回はバージョン違いというのもうれしい。
というか、ワクワクが止まらない!

いやー、よかった!
というか、LOW IQいっちゃんのライブが外れるわけがないのだ。
野外フェスだけで10回以上は観ているけれど、
会場が停電して音が鳴らせないぐらいのことをしない限り、素晴らしいに決まっている。

今回は前半部分でやや最近の曲が多め。
(この最近の曲もまた、外れないんだなー)

松本人志が音楽好きだったら、「すべらんな~」て言うこと間違いない。

あ、この日はけっこう曇り&雨の予報だったけれど、
この頃にはすっかり晴れていた。日差しが暑いぐらい。

やっぱりロッキンでのLOW IQ 01は、灼熱のレイクが似合う!
客観的に見ても、ここ数年レイクでの集客は安定して賑わっているし、
「昼間のロッキンのレイク番長」の称号を差し上げたい。

10/10(土)のLOW IQ 01 presents MASTER OF MUSICは絶対行かなきゃ。
(だって、集まるメンツがBRAHMAN、ACIDMAN、Ken Yokoyamaだよ!?)

いっちゃんでかなり燃焼した後は水分&食事補給をしてknotlampを観に行こうとしたけど、
もはやほぼ終わりかけ。残念。

フォレストでご飯食べてると、YUIが歌ってた。
「雨あがりの夜空に」を演るあたり、彼女のロック志向がちょっと見える。

というわけで、グラスに戻ってBEAT CRUSADERS
とはいえ、シートゾーンぐらいのちょっと後ろで観戦。
いつも通りの彼らでした。
(なんかあっさりした感想だけれども)

そこから再びレイクに移動。
途中、フォレストで少しだけ福原美穂を聞く。
「ANYMORE」とか。
なかなかいい感じ。
また次に会えるのを楽しみにしてます。

レイクではNothing’s Carved In Stone
アルバムは持っているものの、「ライブはどんなもんだろ」と座りながら観賞。

好き嫌いがありそうな音だけれど、良いバンドであることは間違いない。
「November 15th」はいい曲だねー。

次はフォレストのRYUKYUDISKO
なにげに、今回の彼らにはだいぶ期待していた。
だって、同じ日にビークル&モンパチが出るってことは、
そりゃゲストボーカルを期待しちゃうでしょう!

RYUKYUDISKOはアルバムも持っているし、
かつてレイクで聴いたりもしたのだけれど、
アルバムの後半、あるいはライブの後半になると、いま一つ単調に感じてしまう印象があった。

けれどそれが最近ゲストボーカルと頻繁に絡んで、
今回のようにライブでもゲストボーカルが何人も出るようになって、
とてもいい変化(化学反応)が起きている。

RYUKYUDISKOの二人が後ろに引くことで、
歌モノの中にある“琉球リズム”というオリジナリティが際立つという現象。

女子ボーカルの二人もそれぞれに特徴が出ていたし(次のアルバムへの期待大!)、
モンパチの上江洌さん、ビークルのヒダカさんが出てくりゃそりゃ盛り上がる。
特にヒダカさんの「NICE DAY」では、もう大団円。

いいねー、よかった!
今まで観たRYUKYUDISKOの中で断トツによかった!

トリ前は、グラスでACIDMAN
いやー、もう彼らはトリを飾っていいバンドだよねえ。
出すアルバム、全て完成度が高いし、ライブも素晴らしい。
ロッキンのトリで重要とされる“メッセージ性”も持ってるし。

今回も期待にたがわず、期待以上に素晴らしかった。

実は僕は、
フランスからこのフェス、特にACIDMANを観るために来日する女の子のために
チケットを手配したりしてました。
(詳細は、こちらの記事で。僕のLast.fmですごいことが起こっている

いやー、普通に考えて、20才の学生にお金を貯めさせて日本に来させるのって、
すごいですよ。
どんだけの求心力なんだ。

彼女がどう感じたかは聞いてないけれども、
僕がACIDMANのライブを観ていて
「(予想通り)これだけのライブが観られたら、絶対に来てよかったと思ってもらえるなー」
と思いました。

大木さんがこんなことを言っていた。
(正確には覚えていないので、意訳も含まれてますが…)
「今年もこんなに素晴らしいアーティスト、素晴らしいオーディエンスが集まるフェスに参加できて、
 とても嬉しく思っています。
 こうやって、一秒一秒を大切にして、素晴らしいことを体験していけば、
 生きていくことを少しでも肯定できていけると思う」

そう、
そういうフェスがロッキンなのであり、
それがロッキンが他のフェスと決定的に違う部分であり、
だからこそロッキンに来る人は毎年ここに来てしまうのだろう。

それは、冒頭に書いた渋谷さんの「宗教」という言葉に通じる。

ロッキンには、「思想」があるのだ。

ざっくり言ってしまえば、
日常だとか社会だとかというものにどこか違和感を感じている人、
生きていくことに何とも言えない息苦しさを感じている人、
そういう人たちに向けて、「俺たちも同じさ、だから生きていこう」と言ってくれるフェス。
それが、ロックインジャパン。
(この点が、フジやサマソニとは決定的に違う)

それを特にダイレクトに表現し、歌でも言葉でも伝えてくれるのが、
例えばACIDMAN、Dragon Ash、エレカシ、10-FEET、サンボマスター、ELLEGARDEN(細美さん)であり、
彼らを代表としてフェス自体にそういう“色”がついているから、
そこに共鳴した人にはもう離れることができなくなる。

僕もその中の一人だし、
そういう人が多いからこそ、アーティストが発表される前に6~7割のチケットが売れる。

だから、ロッキンが大好きな人、
いやむしろ「生きていくのにロッキンが必要」という人が来るフェスになってきているし、
その純度は年々高まってきているようにすら感じる。

そういう意味でのロッキンらしさ炸裂だった一つの好例が、このACIDMAN。
(もちろん、ライブの素晴らしさありきでの話)

さて、この日のトリは、グラスのウルフルズ

どのフェスにおいてもトリ(ヘッドライナー)ってものすごく重要で、
もちろんロッキンにおいてもそうなのだけれど、
今年のロッキンに関しては、
ウルフルズとユニコーンは「功労枠」というか「感謝枠」の意味合いが強いように感じる。
(もちろん、バンドとしてトリを務める力量は十分にあると思うのだけれど)

例えば去年にストレイテナーを初日のトリにしたようなロッキンらしさを思えば、
やや懐古主義的に振り戻された感はある。
(それが悪い、というわけではない)

ウルフルズ、登場の時からトータス松本が「見納め!見納め!」と連呼していたのが印象的。

ハッキリ言ってウルフルズの活動休止は、みんなどこかで微妙と思っていると思う。
「トータスの渋かっこいい路線ってどうなのよ」とか、
「残りのメンバーはどうやって食べていくの?」とか。

正直、このステージでもトータスがサンコンJr.の衣装をからかっていると、
ジョン・B・チョッパーが「それは今言わんでもええやろ」と笑わずに言っていて、
我々としては笑うところなのか、ウルフルズの内情を見せられているのか、
困ってしまう時があった。

そんな感じで、ウルフルズの活動休止は微妙なわけだが、
オーディエンスを包むその微妙感を「見納め!見納め!」で笑いに昇華させてしまう
トータス松本の空気を読む能力はさすがだなー、と思った。
(こういうのも、ソロでやっていくための一つの才能なのだよな)

ライブ自体は、普通に盛り上がったと思う。
(やっぱり観客の年代層はやや高めな気はした)

個人的には、ウルフルズはミリオンなんて売れずに、
「貸した金返せよ!」とか、
「SUN SUN SUN おてんとさまさま」とか、
アホらしさを貫いて演っていた方がよかったんじゃないかと思う。
その方が、今頃フォレストあたりでいい感じにノれるバンドになっていたのではないか。

「ええねん」や「暴れだす」あたりのナンバーは僕も好きなのだけれど、
「サムライソウル」など、変なことを言い出すことも多くなった。

バンドっていろいろあるし、
本人たちの力だけではどうにもならないことも多いから大変だよなー、
というようなことをぽつぽつ考えていた、2009年ロッキン初日のトリ。

ひたちなかの空に上がる花火は、今年も綺麗だった。

2日目に続く。